BayStar Capitalは1週間ほど前、SCO Groupに投資している2000万ドルを返却するよう同社に求めた。そのBayStarが米国時間21日、SCOに求めた資金の回収は、経営陣の交代やUnix製品事業からの撤退など、同社に大きな変化を起こさせる試みの一部であることを明らかにした。
BayStarは昨年10月、SCOに2000万ドルを投資したが、その後BayStarの要請に対するSCOの対応を好ましく思っていないと述べていた。BayStarはこれまで数年間で、約400社対して投資を行ってきたが、資金返却を求めるに至ったのはSCOの1社だけだ。SCOへは、Royal Bank of Canada(RBC)も3000万ドルを投資している。
SCOは、人気の高まるLinuxオペレーティングシステム(OS)が、同社の所有するUnix知的所有権を侵害していると訴えている。この主張はIBMやAutoZoneに対する訴訟の中心となっており、BayStarでもいまだにこの主張を支持している。しかし、この主張を有効なものとするにはSCOは経営陣を交代させ、訴訟に専念し、もっと「分別のある、ビジネスライクな形で」コミュニケーションするべきだ、とBayStar広報Bob McGrathは説明した。
「われわれは、法的問題に対する経験やバックグラウンドのある人間を入れて、SCOの経営陣を強化する必要がある」とMcGrathは述べ、さらにSCOがBayStarの懸念に解消すれば、BayStarは資金返却の要請を撤回することもやぶさかでない、と同氏は付け加えた。
SCOの広報担当Blake Stowellは、同社はこの問題の解決を望んでいるが、BayStarが求めている3件の変更は行なわない可能性が高いと述べた。
「われわれは、BayStarが問題だと考えている事がらを、全て解決したいと考えている。BayStarさえ応じてくれれば、我々はいつでも電話で交渉を行なう用意がある」(Stowell)。また最高経営責任者(CEO)Darl McBrideなど上級幹部の交代については、「わが社の取締役は、現在就いている役職において全く問題はない」とStowellは述べている。
またBayStarは、SCOが2月5日付け株式交換契約の4条項に違反したことを資金返却要求の根拠としているが、この違反に関する主張の詳細を明らかにしていない、とStowellは指摘した。
高額な費用のかかる複数の訴訟が同時進行中のSCOにとって、BayStarの主張は新たな頭痛の種となっている。そして、これらの訴訟を続けるためには資金調達が欠かせない。CEOのDarl McBrideによると、同社の資金は約600万ドルから約6000万ドルに大きく増加したが、一方で前四半期の訴訟費用は340万ドルに上っている。
MacGrathによると、BayStarではSCOのUnix製品ビジネスについて、長期的に見て株主に価値をもたらさないものだと考えているという。SCOは1月末締めの四半期に、970万ドルのUnix製品と160万ドルの関連サービスを売り上げたと発表していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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