Microsoftは12日(米国時間)、デジタル著作権管理(DRM)ツールを開発するInterTrust Technologiesとの間で、総額4億4000万ドルに上る和解およびライセンス契約を結んだことを発表し、長い間続いていた法的争いをまたひとつ解決させた。
この和解で、3年近くに及んだ特許侵害訴訟がようやく終結した。InterTrustはこの訴訟で、事実上Microsoftの全ての製品--主力製品のWindowsオペレーティングシステム(OS)から、マルチメディアソフトウェアまでが、自社の所有するコンテンツ保護技術の特許を侵害していると訴えていた。
今回の和解により、MicrosoftはWindows Media Playerなどのデジタルメディアソフトウェアで提供している違法コピー防止ツールを拡充できるようになる。
Microsoftはわずか2週間前にも、ライバルのSun Microsystemsとの長期にわたる裁判で和解に達している。この和解では、Microsoftが特許使用料やライセンス料として20億ドル以上を支払うことになる可能性がある。また3月には、欧州連合(EU)が別の訴訟で、Microsoftがサーバおよびメディアソフトウェア市場を阻害したとの裁定を下している。
InterTrustとの和解契約で、Microsoftは両社の間で争点となった全ての技術のライセンスを得る。DRM技術は、楽曲やビデオなどのコンテンツを、違法なコピー行為から保護するもの。
Microsoftは違法コピー防止技術という新たに登場してきた分野で積極的な動きを見せている。同社は先週、ContentGuardという別のDRM技術開発元と契約を結び、同社株式の過半数を取得した。
Microsoftは、InterTrustとの和解により、自社のメディア用ソフトに関する計画が加速するはずだと述べている。
「InterTrustは技術の土台となる特許をいくつか保有しているが、われわれにはそれらの特許に関するライセンスを得る必要があることが、ますます明らかになっていた」とMicrosoftの技術ポリシーディレクターDavid Kaeferはインタビューのなかで説明している。
Kaeferによると、両社はしばらく前から和解に向けた取り組みを進めてきたという。しかし、Microsoftにとって非常に重要なのは、同社のソフトウェアを使う消費者やコンテンツプロバイダがInterTrustにライセンス料を支払う必要がないことを和解で保証することだった、とKaeferは述べている。
InterTrustはこれまで10億ドル以上を要求していたとKaeferは述べ、「両社は今回うまく落としどころを見つけることができた」と付け加えた。なお、InterTrustは2001年にMicrosoftを提訴して以来、あわせて144件の特許侵害を申し立てていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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