Sun Microsystemsは2日(米国時間)、長年の敵であるMicrosoftと争っていた法的問題を解決し、両社が技術協力を進めることになったと発表したが、これによりMicrosoftはSunに19億5000万ドルを支払うことになる。
またサンは、収支に関する警告を発するとともに、3300人の従業員を削減する計画であることを明らかにした。同社では前四半期の損失が予想より大きくなるとの見方を示している。
さらにSunは、これまでソフトウェア担当のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めてきたJonathan Schwartz(38)を、社長兼最高業務執行責任者(COO)に任命した。最高経営責任者(CEO)のScott McNealyは以前、前COOのEd Zanderが2002年に退社して以降空席となっていたこのポジションを埋める必要はないと述べたことがあった。
合意内容の骨子
長年の敵同士だったSunとMicrosoftが今回合意に達した結果、Sunには総額20億ドル近い金額が支払われることになる。以下に主要な合意点をまとめてみた。
・訴訟の和解:Microsoftは7億ドルをSunに支払い、Sunは米国でのMicrosoftに対する独占禁止法違反の訴えを取り下げる。 ・特許:過去の特許権侵害をめぐって、両社が互いに提訴しないことを定めた広範な合意の一環として、Microsoftは9億ドルをSunに支払う。両社はまた、特許のクロスライセンスに関する合意も求めている。 ・技術的な協力:両社は互いの保有するサーバ関連技術を利用できるようになり、各々の製品が連携できるようにする。当初共有される技術のなかにはWindowsが含まれ、またその後は電子メールやデータベースソフトウェアなどもこの対象になる。MicrosoftはSunにまず3億5000万ドルを支払うが、一方Sunは後にMicrosoftの技術を採用した段階で、それに対する支払いを行うことができる。 ・通信プロトコル:Sunは、(Microsoftと)米司法省との和解合意で定められた条件のもとで、Windowsの通信プロトコールのライセンス提供を受ける。 ・Javaサポート:両社は、SunのJavaとMicrosoftの.NET間での技術的なコラボレーションの向上に共同で取り組む。 ・Windowsの動作認定:SunのXeonチップ搭載サーバでWindowsの動作することを認定する。 |
今回締結された10年間の契約のなかで、MicrosoftはSunに対して、独禁法違反をめぐる訴訟の和解金7億ドルと、特許問題の和解金9億ドルを支払うことに合意した。両社はまた、相手側の保有する技術をロイヤルティを払って利用できることになり、Microsoftは即時に3億5000万ドルを支払い、一方Sunでは今後Microsoftの技術を採り入れた際に使用料を払うこととなった。
「MicrosoftとSunは今後も激しく競合していくだろうが、今回の合意で両社の顧客に利益をもたらす新たな協力関係が生まれることになる」とMicrosoftのCEO、Steve Ballmerは述べている。
MicrosoftとSunは、1年前にMcNealyがBallmerに和解の呼びかけを行って以来、この合意に向けた話し合いを続けてきたという。Ballmerは2日にサンフランシスコで開かれた記者会見のなかで、わずか数時間前に締結されたばかりのこの契約に関して、締結までにこれほど長い時間がかかった理由を次のように説明した。
「昨年12月には締結寸前の状態にあったと思う。だが、もう少し内容を工夫する必要があった」(Ballmer)
Microsoftにとって、今回のSunとの和解は、同社が主要なライバル企業との間で進めてきた和解の最新のものとなる。同社は昨年5月、America Onlineとの間で係争中だった訴訟について7億5000万ドルで和解し、技術共有やソフトウェアの共同配布を行う契約を結んだ。また1997年には、Appleとの訴訟で和解に達している。
しかし、昨年12月にRealNetworksがMicrosoftを相手取り、10億ドルの損害賠償を求めて起こした反トラスト法違反訴訟は、現在も係争中だ。
Ballmerは、今回のSunとの和解が、欧州での出来事に影響されたものではないと述べた。欧州の規制当局は3月末に、Microsoftが独禁法に違反したとして、同社に史上最高額の制裁金の支払いと、ソフトウェア提供方法の変更を命じている。
「この2つの事柄ははっきりと区別する必要があると思う」とBallmerは記者会見のなかで語った。
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