企業幹部なら誰しも、古い電子メールが裁判で証拠として明るみに出る恐れがあることを知っているが、おそらくMicrosoft会長のBill Gatesほど、そのことを身に染みて理解している人物は他にいないだろう。
「Sunにダメージを与えるために、Appleに何をさせたいかについて具体的な計画はあるか?」。これは、かつてGatesがPaul Maritzや他の部下に送った電子メールの文面だが、それが後に米司法省との長期にわたった独禁法違反訴訟の際に引用されてしまった。
いくつかの他のMicrosoft訴訟で引き合いに出された電子メールは、同社の攻撃的な社風や、法的権威に対する侮蔑的な態度を物語るものだった。横柄だという評判は、欧州委員会のような組織と渡り合う際に、同社に味方しなかったはずだ。
先週、ミネソタ州のMicrosoft独禁法違反訴訟で新しい電子メールが暴露され、またもや同社は、たしなみのない企業電子メールで災いを招いた、悪いお手本という評判を復活させてしまった。
ミネソタ州の訴訟では、1997年にMicrosoft幹部のJeff Raikesが投資家のWarren Buffettに、同社へ投資するよう働きかけた電子メールが、検察側によって公開された。Raikesは、OS市場におけるMicrosoftの支配状態を「有料道路」にたとえる者もいると書き、世界全体でセールス担当者がたった100人から150人しかいないことを考えれば、まさに「90%以上のマージンがとれる旨味の多いビジネスだ」と付け加えていた。
1997年当時のBuffettは、結局この勧誘でも説得されなかった。しかし、2004年に検察側に渡ったこの電子メールは、訴訟の争点となっているWindowsの独占状態の濫用について、Microsoftの態度が率直とはいえないものであると判事を確信させるのに十分なものかもしれない。
「これらの電子メールは、Microsoftの信憑性を傷つけるものだ」とボルチモア大学ロースクール教授で独禁法が専門のBob Landeは述べている。
Landeは、米国司法省による独禁法訴訟で、Microsoftは、Ronald Reagan元大統領が指名していた、企業特権に同情的な裁判官に運良く出会うことができたと指摘。「しかし、司法省との裁判が終る頃には、その裁判官はMicrosoftの言い分をほとんど信じなくなっていた」と同氏は付け加えた。
Microsoftは、信憑性や古い電子メールなどをめぐる議論は、ミネソタの法廷で争われている本筋とは無関係だと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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