カリフォルニア州マウンテンビュー発--Googleの「Android」開発を率いるAndy Rubin氏には1つ、明らかにしておきたい点があるようだ。Googleは携帯電話の製造事業に進出するつもりはないということである。
TheStreet.comは先週、Googleが2009年のうちに、事業者を利用することなく、同社が独自に開発したAndroid搭載携帯電話端末を販売する計画であると報じた。しかしGoogleのAndroid向けエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるRubin氏は、同社が独自の携帯電話を発売することによって「自らの顧客と競争する」という発想を一蹴した。
Rubin氏は、「われわれはハードウェアを構築していない」と述べた。「他者がハードウェアを構築できるようにしているのだ」(Rubin氏)
Googleは現在、「G1」などのAndroid搭載携帯電話の設計に携わっている。例えばGoogleは、携帯電話に5列のキーボードを搭載したいという自社の要望を満たすために、G1で評判の悪かったヒンジのデザインを擁護したこともあった、とRubin氏は述べた。しかしそのデザインはレビューアらの不評を買ったという経緯があるため、Rubin氏は、それがおそらくGoogleが独自のハードウェアを構築すべきではない理由だと冗談を言ってみせた。
しかし、デザインに対して要望を出すことと、携帯電話全体を設計し、それを製造するために製造パートナーと契約し、市場に提供するために販売チャネルと提携することはまったく異なる。それをするにはGoogleのビジネスモデルの「抜本的な転換」が必要になるとRubin氏は述べ、今のところ同社にはそれに対する準備が整っていないようである。
いわゆる「Gphone」のうわさは、もう何年も前から出回っており、Googleが2007年11月に正式にAndroidを発表するずっと前から流れている。しかしこれまでのGoogleの戦略は、従来型のボリュームライセンス方式に近く、ハードウェアおよび事業者パートナーと提携して、AndroidをモバイルOSの選択肢として広範囲に広めるというものであり、ハードウェアとソフトウェア設計が完全にApple主導で進められている「iPhone」とは異なる。
発表から約2年が経ち、2009年にはAndroid搭載の携帯電話数種がリリースされるまでになった。Verizonのネットワークを利用し、Android 2.0を搭載するMotorolaの「Droid」も、まもなくリリースされる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス