MM総研は10月22日、2009年度上期の国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表した。総出荷台数は前年同期比14.0%減の1704万台となり、2000年度以降の同社による統計調査の上期出荷台数で過去最低となった。ただ、半期別出荷台数で過去最低(1608万台)となった2008年度下期からは回復している。
2009年度上期のメーカー別シェアでは、シャープが24.7%を獲得し、2006年度上期以降、7半期連続の1位となった。出荷台数は前年同期比8.3%減となったが、シェアは1.5ポイント増加した。2位は、前年度と同様にパナソニック モバイルコミュニケーションズで、シェアは16.8%。3位は前期より順位をひとつ上げた富士通で、シェアは16.0%。4位は富士通と順位が入れ替わったNECで、12.6%のシェアと入れ替わった。5位は東芝、6位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと続いた。
一方、海外メーカー合計のシェアは、国内メーカーには及ばないものの前年同期比で2倍以上となった。キャリアによる販売施策の後押しもあり、ソフトバンク市場で好調なアップルと、NTTドコモ市場で好調なLGエレクトロニクスの台数およびシェアが拡大した。
2009年度下期も急速な市場の回復は見込めないが、減少傾向には歯止めがかかるとMM総研では予測している。その要因として、(1)auとソフトバンクモバイルの在庫が上期で緩和されたこと、(2)2007年度下期に新販売方式で端末を購入したハイエンドユーザーの買い替えが期待できること、(3)2年間拘束型割引プランの更新時期を迎えるユーザーの乗り換え促進など、キャリア間競争が活発化する傾向が見受けられること、の3点を挙げている。
2009年度通期の出荷台数は3320万台(前年度比7.5%減)、2010年度は3260万台と微減傾向になる見込みとのこと。端末市場は2010年度に底打ちとなり、2011年度には3520万台まで回復するとしている。この理由としては、2012年3月末のmovaサービス終了や、2012年7月の周波数再編により新800MHz帯非対応端末を利用するauユーザーの買い替え需要が挙げられる。ただし、今後も業界再編は必然的に起こるとみている。
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