長らく待望されてきた「iPhone」向け「Google Voice」アプリケーションが、Appleによって正式に却下された。
米国時間7月27日、この件に関して多くの報道があった。そして、Google広報担当者はそうした報道が事実であることを認めた。「Appleは、われわれが6週間前にApple App Storeに提出したGoogle Voiceを承認しなかった。われわれは、今後もiPhoneユーザーにサービスを提供する取り組みを続けるつもりだ。一例を挙げると、モバイルブラウザの進化を利用したものを提供したい」(同広報担当者)
さらに、Google Voiceを使用するサードパーティー製アプリケーションも、すべてAppleによって排除されたと TechCrunchの記事は伝えている。そうしたアプリケーションの1つである「GV Mobile」の開発者は、GV Mobileは「iPhoneに元々搭載されている機能と重複している」ため、Appleはそれを削除する決定を下したと言われた、と述べている。
AppleがApp Storeで同アプリケーションの販売を拒否した理由ははっきりしないが、米国におけるiPhoneの独占キャリアであるAT&Tの命令によって、そうした決定に至った可能性がある。Google Voiceは、ユーザーが指定した単一の番号で自宅と職場の電話機、携帯電話に通話がつながるようできる無料のアプリケーションである。ボイスメールを文字に起こしたものを受け取ることも可能だ。Google Voiceは無料のテキストメッセージを可能にするため、一部の人々から、無線事業者を「回避するための手段」と説明されてきた。しかし、ユーザーはGoogle Voiceを使用した場合でも、AT&T電話プランの利用時間を消費する。
DaringFireball.netのJohn Gruber氏は、実際のところ、AppleはAT&Tの要請によってGoogle Voiceをブロックしたと報じているが、Appleにも同アプリケーションを拒絶する十分な理由があったと指摘している。「Google Voiceは、iPhone OSにとって最も大きなライバルの1つ(『Android』)の開発元が提供するモバイルフォンサービスだ。もし、Google Voiceではなくて『Microsoft Voice』だったら、どうなるだろうか」(Gruber氏)
さらに今では、AppleのApp Storeにおけるアプリケーション承認プロセスは個々の開発者、そしてテクノロジ業界の大企業にとっても、複雑で思い通りに行かないものであるという評判が定着している。つい先週も、GoogleとiPhoneをめぐる騒動があった。Appleが、ウェブベースのアプリケーションとして設計されたものでなければ、GoogleのiPhone向け「Latitude」を承認しないという決定を下したのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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