なぜこんなにも積極的にユーザーが参加するのか。加藤氏は「ユーザーは国盗りという行為を通じて生きている証を残したい、『自分は今ここにいる』ということを表現したいのではないか」と分析する。
今後はケータイ国盗り合戦を「どこかに行きたくなる広告メディア」(加藤氏)として育てていく考えだという。「旅行という非日常を、日常にしたい。国盗りがなければ行かないようなところにも行かされることで、『日本にこんなところがあったんだ』と感じてもらい、より日本を知って好きになってもらえることがゴール」(加藤氏)だと話した。
一方のコロプラが運営するのは、「コロニーな生活☆PLUS」という携帯電話向けの無料ゲームだ。ユーザーはコロニーと呼ばれる「島」を与えられ、そこに土地や資源などを設置して住民が住めるようにし、島を街として育てていくゲームだ。ユーザーが位置登録をすると移動距離が計算され、その移動距離に応じて「プラ」と呼ばれる仮想通貨がもらえる。そのプラを使って、街を育てていく。
コロニーな生活☆PLUSはもともと、2003年にDDIポケット(現:ウィルコム)向けゲーム「コロニーな生活」としてスタートした。「AirH" PHONEで位置情報が取れて、パケット定額制が使える端末が登場した。それまで、携帯電話向けにコンテンツサービスを提供してユーザーに『パケ死』(※編集部注:ユーザーが大量のパケット通信をしたために、多額の請求を受けた状態を指す)をさせてしまっているのを申し訳なく思っていた。そこで、位置情報とパケット定額を組み合わせたサービスを作りたいと思った」と馬場氏は開発のきっかけを話す。
ユーザー数は3月10日時点で約10万5000人。月間ページビューは2月末時点で1億2000万PVという。男女比はケータイ国盗り合戦と同様に6対4で、20〜39歳が76.4%を占める。19歳以下のユーザーは13.4%と、やはり大人が多いのが特徴だ。居住地は関東地方が50%とのこと。1日あたりの移動距離は4〜10kmの人が多く、通勤などで楽しんでいる人が多いようだ。
コロニーな生活☆PLUSも3月、初めて他社とのタイアップ企画を実施した。日光にある老舗煎餅店の「日光甚五郎煎餅」と組み、日光にある店舗の近くで位置登録をすると、ゲーム内の限定アイテムがプレゼントされるというものだ。さらに、実店舗でもコロニーな生活☆PLUSのゲーム画面を見せると、実際にお煎餅を1つもらえるのだという。
「ゲーム内アイテムが欲しい人は日光まで行き、そのついでに日光甚五郎煎餅の店舗にも立ち寄る。そしてお煎餅を現実にお土産として配るので、バイラル効果が期待できる」(馬場氏)
開始から1週間で190人が店舗を訪れたといい、「3カ月で2000人という目標は達成できるのではないか」(馬場氏)と自信を見せる。
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