「競争力を失っているのは事実」--KDDI、119億円の端末評価損を計上

永井美智子(編集部)2009年01月23日 19時07分

 「競争力を失っているのは事実」--KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は1月23日に開催された2009年3月期第3四半期の決算発表会において、auの苦戦を認め、1月末に発表する春モデル以降での巻き返しを打ち出した。

 auの端末販売台数は2008年4月から12月の合計で前年同期比29%減の800万台。12月末における端末在庫数は210万台と、前年同月の130万台に比べて62%増えている。このため、端末評価損を4月から12月までの間に119億円計上した。前年同期が15億円であったことを考えると、不良在庫が大幅に積み上がっていると言える。

 端末の販売台数が減っていることで、端末メーカーからの納入ロットも減らした。これが端末の原価を上げる要因にもなっている。

 不調の理由について小野寺氏は「普遍性のある、失敗しない商品やサービスに偏っていた」と分析。「顧客をドキドキさせる、一歩先の施策が重要だ」として、1月末に発表予定の春モデル以降、改善していくとの考えを示した。

 2009年3月期第1四半期〜第3四半期(4月〜12月)の営業収益(売上高)は前年同期比0.3%減の2兆6297億円、営業利益は同9.6%増の4067億円となった。端末販売台数が減ったことで営業収益が減少したものの、端末販売原価などの営業費用が減ったことで営業利益は増えた。

 通期の業績については、営業収益の見通しを2000億円減の3兆5000億円に引き下げている。auの端末販売台数を1440万台と見込んでいたが、1090万台程度にとどまりそうなためだ。営業利益については4430億円の予想を据え置いている。

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