Appleは、リリース済みの「iPhone」用ソフトウェアについて、付随する機密保持契約(NDA)を終了させると決定した。Appleが開発者の不満を重く受け止め始めたことを示す最新の兆候だ。
Appleは、同社のメインの開発者向けウェブページに通達を掲示し、すでにリリースされたiPhone用ソフトウェアに関して、開発者はNDAの制約を受けなくなると通知している。この契約内容変更は即日発効となる。NDAは、開発者が自分たちのソフトウェアについて他者に話をすることを禁じるもので、3カ月前の正式リリース以来、iPhone用アプリケーションの開発で最も頭の痛い問題の1つだった。NDAのために、iPhone開発クラスなどのプログラムは、その法的妥当性が微妙な状態に置かれている(開発者がNDAに対して不満を感じている証拠に、「F」で始まる非常に激しいののしり言葉を冠した名前の専用ウェブサイトまであり、サイト名が開発者の怒りを物語っている)。
NDAを一部取り下げることについて、Appleは次のように説明している。
iPhone OSには、われわれが守りたいと考えるAppleの発明や先端技術が数多く含まれているため、その努力を盗用されないようNDAを設けた。実際に、かつて盗用事件が起きたこともある。iPhone関連の技術について、われわれは何百という特許を申請しているが、NDAでさらに保護をかけた。われわれは、iPhoneの技術が他者に盗用されるのを防ぐもう1つの方法として、NDAを設定した。
しかし、NDAは、開発者や制作者など、iPhoneの成功を後押しすることに興味のある人々に、多大な重荷を負わせている。ゆえに、すでにリリースされたソフトウェアに関して、われわれはNDAを取り下げる。1〜2週間のうちに、リリース済みのソフトウェアについてNDAの条項を含まない新しい契約書が、開発者の手元に届くだろう。ただし、リリース前のソフトウェアおよび機能については、リリースされる時点まで今後もNDAに拘束されることに留意していただきたい。
Appleは9月の最終週に、開発者の不満に応えて「App Store」に若干の変更を加えた。しかし、開発者の不満をなだめる目的でAppleが取った対策の中では、今回のNDA取り下げが最も大きな変更となる。開発者はiPhoneアプリケーションをひっさげ、今もApp Storeに続々と集まってきているが、彼らの最も大きな不満は、ガイドラインが不明瞭で、App Storeで許されていることとそうでないことがはっきりしない点で、この問題は現在も解消されていない。しかし、AppleがNDAを取り下げる決断をしたということは、おそらく、同社が開発者の不満の高まりに気づいたということだろう。
米国時間9月23日には、開発者に優しいオープンソースのモバイルOS「Android」搭載の携帯電話が正式発表されており、今回の決断にはこうした事情も関係している可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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