ディー・エヌ・エー(DeNA)は携帯電話向けのポータルサイト「モバゲータウン」において、9月4日から25日まで全4回にわたり、会員を対象としたリアルタイムチャットサービスを提供した。
お笑い芸人とユーザーがリアルタイムで会話できるほか、ユーザーのリクエストに応じた芸を動画で披露するというもので、最終回の25日には、動画が公開後30分で1万回以上再生されるなど、大きく盛り上がったという。この舞台裏を取材した。
今回のサービスは、モバゲータウンの「お笑い」コーナーにおいて、実験的に提供されたもの。1週間に1度、お笑い芸人が登場し、モバイルサイト上で1時間に渡って会員とテキストチャットをするほか、自身の芸をその場で動画撮影し、携帯電話向けに配信する。これまで、「我が家」「サブングル」「クールポコ」が登場し、最終回となる25日は俳優の織田裕二さんの物まねで有名となった山本高広さんがユーザーとの会話を楽しんだ。
この日、チャットに参加したユーザーは全部で1523名。山本さんが登場する前後を含めた1時間45分の間に、合計で1万5082件のコメントが流れた。
また、山本さんはユーザーのリクエストに答えて、織田裕二さん、柳葉敏郎さん、ジャック・バウアーさんの物まねのほか、漫画「北斗の拳」で敵の“雑魚キャラ”が死ぬときの様子を披露し、動画で配信。翌日正午までの動画の再生数は、全部で3万4000回を超えた。
会場となったのは、ディー・エヌ・エー本社にある会議室。ユーザーの書き込みを会議室の壁に映し出し、それを山本さんが見ながらコメントを返していくという流れだった。まず司会役のスタッフがチャットルームにいるユーザーに対して、山本さんに言ってもらいたい物まねのセリフを書くように促す。すると、1分間で最高270件というスピードで、ユーザーが次々とコメントを書き込んでいく。あまりの書き込みの速さに驚いた山本さんが、「普通の会話じゃないすか、これ」とつぶやく一幕もあった。山本さんの様子は静止画で配信し、3秒に1度切り替えた。
ユーザーから寄せられた案の中から、山本さんが気に入ったものをその場で物まねし、動画で撮影。例えば、「今日誕生日だから織田裕二風に祝って」というリクエストに、「誕生日が、キターーーー!」と応える。このようにして撮られた動画はそのまま会議室内のPCでエンコードし、携帯電話向けに配信した。
なお、山本さんのコメントは、山本さんが喋ったことをスタッフが代筆して送信することで、チャットがスムーズに進むようにしていた。例えば、「事件はどこで起きてるんですか!?」というユーザーからの書き込みに対して、「モバゲー。」と答える、と言った具合だ。
セットは市販のビデオカメラ2台と動画エンコード用のPC1台、それにサイト確認やチャットの入力に使うPCが数台というシンプルな構成だ。また、社内のスタッフはそれぞれBluetooth対応のヘッドセットとSkypeを使って連絡を取り合っていた。
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