開発者が語る、「モバゲータウンができるまで」 - (page 2)

永井美智子(編集部)2008年09月11日 08時00分

自分の作りたいものとユーザーが使いたいものを一致させる

 モバゲータウンも、開発期間は3カ月だった。オークションサービスはそれまで描いていた理想のサービスを作れば良かったが、コミュニティやSNSの場合は川崎氏自身、あまり使っていなかった。しかし、「人と絡むのが得意じゃないから、そういう自分でも使えるものを作ろう」と発想を切り替えた。それが結果として、アバターを核に、見知らぬ人とのコミュニケーションが楽しめるサービスへとつながった。

 サービスを開発する上で川崎氏が気をつけていることがいくつかある。まず、自分で作りたいものを作るということ。ただし、自分が作りたいものと、ユーザーが使いたいものが一致するような訓練は必要とも話す。「こう使われるだろうという仮説があって、それが思った通り使われたかどうかを確認するというフィードバックを繰り返すことで、ユーザーとの感覚が合ってくる。そうなれば、自分が面白いと思うものを作って受け入れられるという、幸せな構造ができる」

 また、開発する上でのモチベーションを維持するために、「こんなサービスが突然出てきたら、わくわくして人に伝えるよね」というものを作ること、「これができたら自分はすごい」という多少無理に見える課題設定をすることがポイントだとした。

 個人で開発することが多い関係上、「有能な編集者みたいな人がいるのがありがたい」とも語る。「あらぬ方向に行っちゃったときに、適切なインプットをしてくれる人がいるといい。自分は集客力があるサービスを作るのに専念し、ビジネスチャンスの発見や、トラフィックの活用方法、サポートや営業などを専門家に任せられる状態が幸せだ」とした。

 モバゲータウンの文化作りについては「理想的なコミュニケーションができるモバオクのユーザーを選んでサイトを利用してもらい、そこを核に基本文化を作った。優しい文化になっていたので、後からサイトに参加した人もそれに合わせた」という。ただ、急激に人気が出た理由については、「よくわからない」と苦笑していた。

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