話題のiPhone 3Gが7月11日に発売され、1カ月半が経過した。iPhone 3Gの発売から3日後の日曜日に販売台数が100万台に達したと発表したアップル。
その後の数字や国内での販売台数は明かにされていないが、8月5日に行われたソフトバンクの業績発表会の席で「iPhoneは想定以上の売れ行き」とソフトバンク社長の孫正義氏が発言するなど、上々の滑り出しだったようだ。
iPhone 3Gの在庫に余裕がでてきたからか、徐々に電車の中でiPhone 3Gらしきものを見かけるようになってきた印象を受ける。しかし、それはもしかするとiPod touchかもしれない。
BCN調べによれば、5月〜7月中旬にかけてiPod touchの販売が約180%の伸び率を記録したという(全モデルの合算)。詳細を見てみると、6月後半から徐々に販売台数指数が上がっており、iPhone 3Gの発売があった週の7月14日には最高値の179%を記録している。
iPod touchは2007年9月の発売から1年が近づいており、通常ならば次期モデルの登場もささやかれる時期だ。それにもかかわらず、8月に入り勢いは落ちついてはきたものの、iPhone 3Gの発売を表明する前と比べれば、まだ若干伸びている。
もう1つ、市場調査会社GfKのデータも調査した。GfKでは、基本的に個社・個別モデルのマーケットシェアなどは開示しない方針という。個別の販売指数ではないが、全ポータブル音楽プレーヤーカテゴリにおけるiPod touchの販売台数ランキングを得た。
GfKでは、モデルごとのランキングを開示しており、8Gバイト(3万6800円)が圧倒的に人気があるのが興味深い。また、BCNのデータと同様に、iPhone 3G発表前の5月から見てみると、GfKのデータでは7月7日の8Gバイトモデルが11位、16Gバイトが18位とこれまででもっとも順位が上がっている。また翌週の7月14日には32Gバイトモデルがこれまでの20位台から16位へと伸ばしている。
いずれの調査でも、iPhone 3Gが発売される前後にiPod touchが大きく伸びていた。「iPhone 2.0」にアップグレードすることにより、App Storeが利用できるなど、iPhone 3Gと近い機能になったのも大きい。また、iPod touchのほうがiPhone 3Gよりも端末価格が安いことも重要な要素だろう。さらに、両者は厚みや背面のデザインなど正確には異なるが、似ているため持っていない人ならパッと見た目でわからないという点もある。
ただし、iPod touchは、カメラやGPS機能はない。その点を加味した上で、月々の運用コストがかからないiPod touchを検討する人が増えたと考えられる。
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