IPコミュニケーションの音声処理技術開発で知られるGlobal IP Solutions(GIPS)は、AppleのiPhone向けに、VoIP対応アプリケーションの開発が可能となるSDKを、米国時間8月11日に発表した。
これにより、開発者は、ゲーム、ソーシャルネットワーキングアプリケーション、そしてもちろん、インターネット上で通常の電話回線に通話ができるアプリケーションなど、リアルタイムにVoIPを実現する多彩なアプリケーションの製作が可能となる、GIPSの「VoiceEngine Mobile」を利用できるようになった。現在ではPC上で利用が定着しているが、iPhoneでも、インスタントメッセンジャー(IM)での音声チャットが、間もなく楽しめるようになるだろう。
これは確かに興奮を誘うニュースではあるけれども、GIPSのVoiceEngine Mobileは、iPhoneのWi-Fi接続でのみ動作し、新しいiPhoneの3G接続を利用することはできない。なぜならAppleは、通信キャリアのデータ接続サービス上でのVoIPの使用を、これまで常にブロックする方針を取ってきた。また、無理もない話ではあるが、AT&Tは、長距離電話事業に影響を及ぼしかねないもののサポートを喜ばないだろう。これが将来的には変わることを、ただ期待するしかなさそうである。今のところ、私の経験では、AT&Tの3G接続網は、あまりにも断片的で信頼性が薄いため、とにかくVoIP通話向けのプラットフォームとしては心細いというのが現状である。
GIPSは、2004年後半に、インターネットに関する技術の標準化団体であるInternet Engineering Task Force(IETF)で承認され、現在はiPhoneでも用いられている、有名な「iLBC」標準コーデックを開発した企業であり、iPhoneの高い人気を考えると、今回のSDK提供決定は、自然な流れとも考えられる。Appleによると、7月11日の発売後の3日間で、100万台以上の「iPhone 3G」が販売された。そのちょうど1カ月後となる8月11日になっても、いまだにAppleストアでは、iPhone 3Gを求めて店外にまで行列ができていることがある。
GIPSは、これまでに同社が開発した音声エンジンは、世界で他のどの音声エンジンよりも、数多くダウンロードされ、広く用いられていると公言している。GIPSの音声エンジンは、消費者や企業が、たとえ不十分なネットワーク状況の下でも、低価格で高品質のIPコミュニケーション利用を可能にするとされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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