米国時間6月9日にWWDCで発表されたAppleのニュースの中で、より深く掘り下げるべき点の1つは、Appleが、最新の「iPhone」のシステムソフトウェアにサードパーティーのアプリケーションからの通知を回避できる新機能を盛り込んだことだ。
従来、アプリケーションが携帯端末で動作しているときに、変更など、ユーザーが注目すべきことがあれば、リアルタイムで警告が表示されるようになっている。AppleのSDKでは、これまでも、現在も、そして近い将来も、開発者が作成したアプリケーションをバックグラウンドで動作させることができないため、ユーザーが行わない限り、データを求めるpingを送信できない。
Appleが9日に発表した解決策は、ユーザーのハードウェアの代わりにAppleのサーバから通知を行う、妥協案ともいえるものだ。開発者アプリケーションからのメッセージは、「Couters Badge」(新着電子メールメッセージのようなもの)、音声、テキストアラートのようなポップアップメッセージの3種類の通知のいずれかでユーザーの携帯電話に送られる。
約1年近くというもの、iPhoneを「Jailbreak」したユーザーは、スリープモードのときでも従来の方法(バックグランド)で動作するアプリケーションを利用してきた。「Mobile Chat」、Intellibornの「Intelliscreen」(ハンズオン)のような「Jailbreak」アプリケーションは完全に自動で動作し、数分ごとにデータを引き込み、Appleのアプリケーションと同じようにメッセージをポップアップ表示する。問題は、このモデルがアプリケーションの増加に対応していないことだ。数十個のアプリケーションが数分ごとにデータを要求すれば、バッテリーはあっという間に切れてしまう。さらに悪いことに、ほぼすべての管理がユーザー、開発者、携帯キャリアの3つの第三者にゆだねられている。
Appleの9日の大きな売りは「バッテリー寿命の向上」(下の写真を参照)だったが、本当のところはAppleが、新しいApp Storeからアプリケーションがダウンロードされた瞬間がわかる、見込みのあるマーケティングデータを入手する好機であることに気づいたのではないかと思われる。
どのアプリケーションが最も使われており、開発者に特別ライセンス料をもたらしているかを調べない手はない。さらに、この情報を広告主などの第三者に販売し、よく使われているアプリケーションについては、広告単位やスポンサーシップを売って、価格を下げつつ、開発者を援助したらどうだろうか。この新しいデータトンネルは、単なる指標ではなく、ユーザーIDや課金情報も付属する、真の金鉱である。
Appleは、ユーザーが10個以上のアプリケーションを追加すると見込んでいるに違いない。Appleは、利益を得るために、ユーザーがアプリケーションを追加することを当てにしているはずだ。問題は、データが300時間の広告付き無料期間を提供するためだけに使われるのか、それとも第三者に販売し、実地で調査を行わずに、新たな開発者の才能を吟味するために使われるのかということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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