「2010年に1000万台、シェア20%以上を目指す。『Nケータイ』の復活を遂げたい」――NEC取締役 執行役員専務 モバイルターミナルビジネスユニット長の大武章人氏は6月9日、同社の携帯電話事業に関してこう宣言した。
NECによれば、2005年に年間1090万台出荷していた同社の携帯電話事業は、2006年には560万台、2007年には480万台にまで縮小。かつては1位だった国内シェアも、2007年には4位以下にまで落ち込んだ。
NEC執行役員 モバイルターミナル事業本部長の山崎耕司氏によれば、人気を集めた携帯電話の機能がネットワーク側ではなく、端末側に集中したことがNECにとって痛手だったという。
「カメラにしてもワンセグにしても、端末のローカル機能だ。こういった機能だと、やはり家電メーカーが強い」(山崎氏)
これに対抗する形で、NECが今後目指すのは「手のひらの中のスパコン」(山崎氏)だ。「さまざまなデータ処理はネットワークの先(につながったサーバ群)で行い、その結果を携帯電話で受け取れるようにする」
手始めとして、ホームサーバに保存した番組などをインターネットを介してPCや小型情報端末「Lui」から閲覧できる「PCオンデマンド」サービスを提供する。映像は携帯電話でも見られるように開発を進めているようだ。
さらには、体に身につけたセンサー端末から健康情報を収集し、携帯電話で健康管理ができるサービスや、人工知能を活用したサービスなども考えている。
短期的には、携帯電話端末の種類を増やすとともに、ドコモだけでなくソフトバンクモバイルにも端末を提供することで出荷台数を増やす。2008年度上期にはドコモに5機種、ソフトバンクモバイルに3機種を提供。OSを共通化するとともに、ミドルウェアやアプリケーションをモジュール化し、機種によって必要なものを組み合わせるという手法で、開発の効率化を図った。
「前年度に比べて2倍のラインアップだが、開発費は20%増くらいで済んだ」(大武氏)
また、サマンサタバサやFrancfranc、雑誌「GLAMOROUS」などと積極的にコラボレーションを展開。さまざまなユーザーの要望に応えられるよう、2008年下半期にも同程度の機種数を用意する考えを示した。
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