Appleが今後の「iPhone」に「Atom」プロセッサの使用を計画していることを、ドイツのIntelのある幹部が認めたという話が報道された。もしこの発言が事実なら、この幹部は自らのキャリアを台無しにしてしまった例として語り草になるかもしれない。
このニュースを報道したのは、ドイツにあるわれわれの姉妹サイト、ZDNet.deで、記事はドイツ語で書かれている。私はドイツ語がわからないため、この記事をGoogleの翻訳サービスにかけてみたところ、「半導体メーカーIntelの40周年を祝ってミュンヘンにあるBMWで行われたイベントで、Germany-Worldのマネージングディレクター、Hannes Schwaderer氏は現地時間14日、インターネットで噂となっていたIntelの原子タイプのチップを搭載したiPhoneが存在するという話を認めた」という訳文が表示された。ドイツ語版でも英語と同じAtomとつづられていることから、「原子タイプのチップ」というのは、IntelのAtomプロセッサのことと考えて間違いないと思われる。私は、この記事を執筆した記者にメールを送り、正式な英語翻訳記事を送ってほしいと依頼しているところだ。
AppleがIntelの提供するプロセッサをすべての製品で使用することに決めたという噂は、当初は「Silverthome」という開発コード名で呼ばれていたAtomプロセッサについてIntelが言及し始めたころからずっと流れている。問題は、現行世代のAtomがiPhoneのようなスマートフォンにはあまり適していないことだ。Atomは放熱量が多すぎるため、iPhoneサイズのデバイスに使用するのは現実的ではない。
ZDNet.deの記事によれば、AtomベースのiPhoneは今よりサイズが大きくなり、Intelが自社のイベント、Fall Intel Developer Forum向けに製作したモバイルインターネットデバイス(MID)のリファレンスデザインを採用しているという。ただしこのデザインは、実際の製品の具体像というよりは、次世代Atom(開発コード名は「Moorestown」)を搭載したMIDがどのような姿になり得るかを示すコンセプトモデルだった。Moorestownのリリース予定時期である2009ないし2010年ごろに発売されるiPhoneが、Intelプロセッサに切り替わる可能性は十分にある。また、AppleがAtomベースのタブレットタイプのデバイスを開発している可能性もあるが、この件については何も明らかになっていない。
Intelの広報担当者は、この記事について現在調査中だとしたうえで、同社幹部がこうした計画を実際に認めることはもちろん、仮にそのような計画があったとしても、この記事に登場する幹部(ドイツにおけるIntelの事業の責任者を務めている)がそうした計画を知ることさえあり得ないのではないかと語った。いずれにしても、iPhoneをめぐるさまざまな噂に新たな火を注ぐニュースだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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