ARMは、ARMプロセッサとOSとしてGoogleのAndroidを採用した携帯電話の試作機を来週披露することを計画している。これにより、チップ設計者がGoogleの進めるOpen Handset Allianceに参加するための道を開くことになるだろう。
Androidを採用した試作品が公開されるのは初めてではないが、今回は、携帯電話機産業で年間最大級のイベントでの登場となる。ARM関係者は米国時間2月6日、来週バルセロナで開催されるMobile World CongressでAndroidを採用した試作品を手にとって確認できるよう招待状を送っている。
ARMの技術は、非常に多くの携帯電話機の心臓部に使われている。ARMがデザインしたプロセッサコアがTexas Instruments、サムスン電子、Marvellなどのメーカーによってチップに組み込まれ、携帯電話機やスマートフォンを動かしているのだ。しかし、2007年11月にGoogleがAndroidソフトウェアとOpen Handset Allianceを発表したとき、その参加企業リストの中にARMはなかった。
AndroidがベースにしているLinuxカーネルは、すでにARMベースのプロセッサをサポートしている。しかし、ARMの世界のソフトウェア開発には特殊な面があるため、ARMはそのほかの世界のモバイルソフトウェアメーカーすべてと密接な関係を築いてきた。だが、ARMコアの使い方は携帯電話メーカーごとに異なり、そのため複数ベンダーの携帯電話を越えて一貫して使えるソフトウェアを作るのは困難だ。
一方、Googleについては、ARMはこれまで様子見の立場を維持してきた。ある意味でこれは、Androidが厳密には完成した製品ではないので理にかなっていると言える。しかし、Androidの将来性にはARMも無関心ではいられないはずだ。GoogleがAndroidに関わるLinuxコミュニティーを活性化し、それによって携帯端末メーカーや携帯電話会社が優れた使用感を利用者に提供できれば、ARMチップを搭載した携帯電話機の販売を押し上げるかもしれないからだ。
また、第4四半期の業績が予想を下回ったARMはプラス材料を探しているはずだ。ARM関係者は予定されているデモンストレーションがOpen Handset Allianceへの参加を意味するかどうかについてコメントを避けたが、Androidを使用した携帯電話が2008年に登場するのを待たずに、Androidに対する公式のサポートに踏み出したことは明らかだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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