Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイル動画やワンセグに関する調査を行った。
2008年1月24日、NTTドコモとGoogleはモバイルインターネットサービスに関する業務提携を発表し、検索サービスや検索連動型広告だけでなく、YouTubeやGmailといったGoogleが提供するサービス全般においてもドコモ端末からの利用も便利にする方針にあることを明らかにした。
今回の自主リサーチでは、この提携によりこれから普及がより進むであろうと考えられる動画に関するユーザー調査を行った。
≪調査結果サマリー≫
調査対象は、15歳〜49歳のモバイルユーザー345人。 男女比は、男:173人、女:172人の割り付けを行った。 キャリア比は、Docomo:51.3% EZweb:35.1% Softbank:13.6% 年齢比は、10代:19.1%、20代:29.3%、30代:34.8%、40代:16.8%とした。
Q1では、携帯電話を利用して動画を視聴したことがあるかどうかを尋ねた。その結果、半数を上回る57.6%のユーザーがモバイル動画を視聴していることがわかった(「頻繁に利用する」が13.3%、「たまに利用する/利用したことがある」が44.3%)。
2007年4月にWebマーケティングガイドが行った「モバイル動画に関する調査」では、モバイル動画の利用率は44.0%となっており、約9カ月間の間にモバイル動画の利用率は13ポイント以上も高まっていることがわかった。 また、「動画を知らない」と回答したユーザーも5.3%から2.6%へ減少しており、動画の認知率も高くなっていることが伺える。
Q2では、ワンセグの利用経験について尋ねたところ、36.3%のユーザーが利用している、もしくは利用したことがあると回答した(「頻繁に利用する」が9.3%、「たまに利用する/利用したことがある」が27.0%)。
ワンセグについても、前回の調査結果と比較すると、利用経験は30.0%から36.3%へと約6ポイント上昇しており、また「ワンセグを知らない」と回答したユーザーも5.2%から3.2%へと減少していることがわかる。
現状、ワンセグはモバイル動画と比べると利用率やその伸び率といった面で劣っているが、2008年は北京オリンピックが開催され、ワンセグでの視聴も可能になると考えられる。
また、日本との時差も1時間と少ないことから、リアルタイムでの視聴を諦めきれないユーザーによって、ワンセグの利用が飛躍的に伸びる可能性もあるのではないかと考えられる。
※アテネオリンピックが開催された日本とギリシャの時差は7時間(サマータイムは6時間)
Q3では、Q1でモバイル動画を視聴したことがあると回答した199名に対して、どのようなジャンルを視聴することが多いかを尋ねた。 その結果、最も回答が多かったのは「音楽」で69.3%のユーザーが回答。2位以下とは、30ポイント以上の差をつけており、動画と音楽の相性が良い、もしくはユーザーの音楽への興味関心の高さが伺える。
視聴ジャンルについても以前の調査結果と比較すると、「音楽」や「自分や知人が撮った動画」など、多くのジャンルにおいては視聴率が高まっている一方で、「スポーツ」や「アイドル・グラビア」など、ポイントを下げたジャンルもあった。
Q4では、Q3同様にQ1でモバイル動画を利用したことがあると回答した199名に対して、どのようなサイトで動画を視聴したかを尋ねた。 その結果、最も回答が多かったのは「MyTube」で40.7%が回答。次いで、「ニコニコ動画モバイル」で22.1%、そして「CMサイト」が僅差の21.6%で続く結果となった。
MyTubeは、YouTubeやAmebaVisionなど6つの動画配信サイトに掲載されている動画を自動収集して提供しおり、「動画共有サイトの動画情報を無料(インターネット通信代を除く)で検索・閲覧できる動画検索サイト」(引用:「MyTube_よくある質問より」)である。 会員登録する事で、携帯版とのお気に入りの共有が出来るなどのメリットがある。
注目すべきはニコニコ動画モバイルで、2007年5月にベータ版をリリースしたばかりだが、すでに登録ユーザー数は約90万9000人に達したという(出典:「ニコニコ動画」ID登録者数が500万人突破、有料会員は17万人/INTERNET WATCH」)。 また、ニコニコ動画(PC向け)の登録者数は500万人を突破しており、PCでの下地作りがモバイルでの成功につながっているのではないかと考えられる。 これはmixiに関しても言えることで、mixiの発表によると「mixiモバイル」の登録者数はサービス開始から3日間で10万人を突破したという。 (参照:「mixiプレスリリース_2006年12月」)
SNSや動画に限らず、モバイルでのサービスを提供する上では、どれだけ大きな下地をPC上で作れるかがひとつのポイントになるのかもしれない。
次回の「モバイル動画に関する調査」では、検索エンジンの利用を中心にモバイル動画に至るまでの導線について触れていく。
本調査はモバイルネットリサーチを使ったものですので、指標や参考データとしてご活用下さい。 業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。 より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、 リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
調査対象 :15歳〜49歳のモバイルユーザー345人
調査期間 :2008年1月25日〜2008年1月28日
調査方法 :モバイルリサーチ
調査機関 :ネットエイジア
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