東京市場が厳しい下落相場にあるなか、新興市場も連動して大幅に下落。東証マザーズ指数は2003年9月の指数設定来の最安値水準に売り込まれている。
そんな中、携帯電話向けを中心に占いなどのコンテンツ配信を手掛けるザッパラスの株価が強調展開を継続。21日には昨年来の高値を連日で更新した。
ミクシィやサイバー・エージェントなどマザーズの主力銘柄が全般相場と連動した値動きとなるなか、なぜ、ザッパラスだけが一線を画した動きとなったのか。その背景を探った。
「天使の占い」「ピタゴラス数秘術」といった携帯電話向け占いサイトや、「どうぶつデコメ」などデコメールサイトなど、2007年10月末時点で332サイトを運営。有料会員数は同178.6万人と順調な拡大が続いている。携帯電話キャリアの占いサイトランキングの半数以上を同社サイトが占める状態が続くなど、ユーザーから圧倒的な支持を得ている。
会員数の順調な増加に支えられ、今4月期業績計画は2007年11月に増額修正済み。連結売上高は前期比13.7%増の78億9100万円、経常利益は同30.5%増の16億3400万円、最終利益は同32.8%増の8億8200万円となる見込みだ。
ザッパラス株強調の背景の一つは、この業績面。3月期企業の第3四半期決算発表シーズンを迎え、市場では特に新興企業の業績に不安感が強まっている。ザッパラスは業績計画を増額修正済みで、更に期末に向けて再増額期待も底流するなど、買い安心感が強く、軟調相場では目先的な資金の逃避先にもなったもようだ。
一方、モバゲータウンのディー・エヌ・エーを筆頭としたモバイル関連株が下げに転じたのは、未成年者を対象としたフィルタリング強化がきっかけ。携帯電話向けサイト運営が主力のザッパラスも、この規制に関連する企業のひとつのはずだった。ただ、ザッパラスの会員は20〜30台の女性で、会員の平均年齢は28.9歳と、10代がメーンユーザーであることが多いモバイル関連企業としては珍しい高水準にある。
また、規制の対象となっているのはキャリアの非公式サイト、いわゆる“勝手サイト”。ザッパラスが運営するのは公式サイトが中心で、今回の規制の影響をほとんど受けていない。株式市場は同社の特性をしっかりと理解しているようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス