AT&TとAppleとの利益分配協定の詳細は明らかにされていない。しかし、あるアナリストによると、AT&Tとユーザーとの2年契約を通じて、その分配金の額は、iPhoneの実際の価格以上になると考えているという。
Silicon Alley Insiderは、両社の利益分配協定により、AppleはiPhone加入者1人あたり月18ドルを受け取っていると推定した、Piper JaffrayのGene Munster氏の調査メモに注目した。Appleは協定の存在を認めたものの、AT&Tが同社のデータネットワークを利用するiPhoneユーザーから上げた利益から得られる正確な金額について、詳細を明らかにしていない。Munster氏は7月、AppleはiPhone加入者1人あたり3ドル、iPhoneのためにAT&Tと新規契約した場合は11ドルを受け取っていると試算したが、Appleの先日の決算発表を受けて、試算を再検討した。
Munster氏は、AppleがiPhoneを発売してからの累計販売台数140万台から、AppleがAT&Tのネットワークからロック解除する目的で購入されたと考えていると述べた25万台を差し引き、第4四半期にAppleの売り上げに貢献したiPhoneの台数を115万台と計算した。次に、第4四半期中にAppleがiPhone関連の売り上げとして計上した1億1800万ドルを基に、平均販売価格から試算したiPhone1台あたりのハードウェア売り上げを差し引いて、AT&Tのデータ利用料からどのくらい配分を得ているのかを試算した。
6〜7月に販売されたiPhoneのほうが9月に発売されたiPhoneよりも、より長い期間売り上げを生み出しているため、多少扱いにくいが、Munster氏は、第4四半期にAppleに毎月支払われた金額は、iPhone加入者1人あたり18ドルになると結論づけている。
つまり、2年契約では、AT&TからAppleにiPhone加入者1人あたり432ドルが支払われることになる。Silicon Alley InsiderはiPhone1台あたりの売り上げ400ドルを加え、iSuppliが試算したコストから、2年間のiPhone1台あたりの利益は565ドルと算出している。筆者自身は(研究開発コストなどが考慮されていないため)iSuppliの数字に少々疑問を感じているが、正確な数字にあまり意味はない。たとえMunster氏の数字が正確でないとしても、どうして、AppleがiPhoneをAT&Tのネットワークでのみ利用できるようにすることに多大な意欲を持っているのかがわかる。
月18ドルが2年契約の期間中変わらないと想定するのは適切かどうかなど、2〜3の質問を電子メールでMunster氏に送ったが返答は得られていない。10月23日付けのiPhoneのブログを読んだある読者から、Appleはロック解除されたiPhoneの販売からも売り上げを得ているとの指摘があった。しかし、iPhoneがAT&Tのネットワークで使われなければ、得られる利益はごくわずかだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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