Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイルGPS機能の利用に関する実態調査を行った。
携帯電話のGPS機能は、警察や消防署が緊急通知を受けた際に、その機関が位置情報を正確に把握できるようにする為、2007年4月以降に発売される機種に搭載が義務化された。また、GPS機能は自分の位置情報を把握したり、ルート案内機能を使ったりと、ユーザー自身にとっても直接的な利便性があるのが特徴である。 今回の調査では、今後さらなる需要が見込まれるGPS機能について、ユーザーの利用実態調査を行った。
≪調査結果サマリー≫
今回の調査対象は、16歳〜49歳までの男女モバイルユーザー311人。 キャリア比はDoCoMo:54.7%、au:32.8%、SoftBank:12.5%となっている。
まずQ1では、現在所持している携帯電話にGPS機能が搭載されているかどうかを尋ねたところ、「搭載されている」というユーザーが44.1%で最も多く、次いで「搭載されていない」が39.5%、そして「わからない」が16.4%で続く結果となった。
ケータイ白書2007によれば、2006年10月時点でのGPS機能付き携帯電話の保有率は25.6%となっている。 今回Webマーケティングガイドで行った調査とは、対象者やサンプル数といった面で差異があるため一概には比較できないが、その保有率が20%弱も伸びている事は注目すべき点であり、GPS機能は確実に普及していると考えられる。
また、GPS機能が搭載されているかどうかを「わからない」と回答したユーザーは16.4%にも及んでいる。つまり、中にはGPS機能が搭載されているにも関わらずその事実を認識していないユーザーもいるのではないかと考えられ、GPSの実質的な普及率はさらに高い可能性がある。
そして、上記したGPS保有率を各キャリア毎に分析したグラフがQ1-2である。auユーザーの保有率が81.6%と圧倒的に高くなっており、次いでDoCoMo27.1%、そしてSoftBankの18.4%が続く結果となった。
キャリア別の数値を見ると、auユーザーの普及率の高さがひと際目立つが、それはある意味当然の事とも言える。 というのも、auは2002年2月に携帯電話初となる電子コンパス機能を搭載したGPSケータイ「C3003P」 を発表しており、3ヶ月後の5月には既に利用者数が100万件を突破している。
そしてその後も、2002年6月には「GPSケータイを使った百万石行列の現在地レポート」というキャンペーンを行い、同年7月にはGPSケータイ を利用した位置情報管理サービス『GPS MAP』の提供を開始している。(参照:携帯電話の歴史 2002-DoPlaza) auユーザーにおけるGPS機能の保有率が高いことは、auユーザーの特性というよりは、キャリアとしての取り組みがこのような結果を誘引したのではないかと考えられる。
Q2では、Q1でGPS機能付きの携帯電話を保有していると回答したユーザー137名に対して、GPS機能の利用頻度を尋ねた。 その結果、「ほぼ毎日」と回答したユーザーはわずか5.8%にとどまり、「それ以下」(1ヵ月に1回以下)が27.0%で最も多い結果となった。
また、GPS機能が搭載されているにも関わらず「GPS機能を利用した事がない」と回答したユーザーは35.0%にも及び、GPS機能は持っているが利用していないユーザーが非常に多く存在している事が伺える。
最後にQ3では、Q2でGPS機能を利用していると回答した89名のユーザーに対して、どのようなサービスを利用しているかを尋ねた。 その結果、「現在地表示サービス」と回答したユーザーが最も多く68.5%となり、次いで「ルート案内サービス」の37.1%、そして「周辺情報サービス」の32.6%が続く結果となった。
上記結果からもわかるように、現在は位置情報やお店情報の収集にとどまっていることが伺える。 しかし、最近ではKDDIは経路探索サービス大手のナビタイムジャパンなどと組み、携帯電話のナビゲーション機能と連動した広告配信サービスを始めるなど、モバイルならではの特性を生かした試みが始められている。 また、各キャリアはGPS機能を使ったサービスとして、「イマドコサーチ」(NTTドコモ)、「安心ナビ」(au)、「イチなび」(ソフトバンク)などを提供しているが、NTTドコモはこのサービスを一歩前進させた「イマドコかんたんサーチ」の提供を開始した。 このサービスについては、ブログなどでプライバシーなどの観点から疑問を投げかけているユーザーも見受けられるが、携帯電話の高機能化と、それに伴う利便性が合わさる事によって初めてユーザーの満足度は高まっていくのではないだろうか。
現時点では、"付いているだけ"といった印象が多少なりとも感じられるGPS機能であるが、今後は付随サービスが充実していくことでGPS機能自体もユーザーにとって身近なものになっていくであろう。
≪参考データ≫
本調査は、業界の全般的な調査となっております。 あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。 業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。 より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、 リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :311
調査期間 :2007年10月04日〜2007年10月05日
調査方法 :モバイルリサーチ
調査機関 :ネットエイジア株式会社
対象者 :15歳から49歳の男女
本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。 アンケート回収データ・クロス集計サービス・レポートは有料にてご購入いただけます。 調査や有料サービスをご検討の方はお気軽にお問合わせください。
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