ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「GREE」が荒れている。9月に導入した、一部サービスでのアバター自動表示機能がユーザーの反発を招いているのだ。
グリーは9月、GREEのモバイルサイトにおいて、一部のアバター連動コンテンツ内に表示されるユーザーのプロフィール画像をすべてアバターにした。これに反発する人や、今後すべてのプロフィールページでアバターしか表示できなくなり、自分の好きな画像や写真を掲載できなくなるのではないかと懸念した人が反対運動を起こした。
具体的には反対コミュニティを開設し、「このグリーの動きに納得いかない方、反対の方、この日記をバトンとして回していただければ」として、反対文を日記に書き込もうという運動が起きた。これに賛同した人が次々と同じ文章を日記に書き込み、反対運動が広がっていった。
さらに一部のユーザーは、グリー代表取締役社長の田中良和氏がGREE内に開設している日記などに、田中氏やグリー社員への誹謗中傷を書き込んだ。さらには社員や社員の家族の写真を掲載した。
GREEではこういった誹謗中傷や、個人の写真を許可なく掲載することを規約で禁じている。このため、該当するコメントを削除するとともに、それを行ったユーザーの退会処分を行った。また、コミュニティや自分の日記で田中氏のプロフィールページにリンクをはり、ほかのユーザーを誘導したユーザーについても「第三者の信用もしくは名誉を侵害する」行為をしたとみなし、同様の措置をとった。
これがユーザーの反発感情に火をつけた。GREEに批判的な行為をすると退会処分になるという噂が流れ、「自分に反したりする方は退会させるんですか」といった批判の声がコミュニティ内に渦巻いている。
この問題に関してはこれまで10件以上の反対コミュニティが開設され、「強制アバターは嫌い!!アバターと顔写真の共存が良い!!」「アバター強制表示断固反対」などのコメントが並ぶ。
そもそもなぜグリーはアバターの自動表示に踏みきったのか。グリー広報の田尻有賀里氏によれば、「よりGREE内でのコンテンツの連動感を高め、楽しんでもらえることを狙った。無料でアバターアイテムを配布するので、それを使える機会や環境を提供し、アバターを使うきっかけを作るのが狙い」という。アバターをより積極的に使ってもらうためにも、アバター機能の存在をアピールしたいと考えたようだ。
具体的に、アバターが自動的に表示されるのは「グリゲー」というゲームサイトでの各種ランキング、およびペット育成ゲーム「クリノッペ」内だ。
クリノッペはユーザーがえさをあげたり、かまってあげたりしながらペットを育てるというもの。会員247万人(9月末時点)のうち約40万人が利用する人気サービスだ。このクリノッペというペットを飼い始めた時点で、プロフィール画像が自動的にアバターに変わる。ただし、設定画面で顔写真などに切り替えることは可能だ。
また、ほかのユーザーの飼っているクリノッペを「つっつく」という機能があり、自分のクリノッペをつっついた人のリストが見られる、足あと機能のような仕組みがある。このクリノッペの「つっつき履歴」一覧では、すべてアバターが表示されるようになっている。
ゲームのランキング上位者には特別なアバターアイテムが無料でプレゼントされ、クリノッペはユーザーのアバターアイテムの1つとして表示される。アバター同様、クリノッペの洋服などを着せ替えることも可能だ。
ランキング上位者であれば特別なアバターアイテムをもらったら人に見せたいだろうし、クリノッペを飼っている人なら自分の愛するペットをより多くの人に見てもらいたいだろう――グリー側はそんなように考えていたふしがある。
しかし実際のユーザーの反応は違った。「アバターに切り換えられたひと、みんな同じ(髪が長いか短いかくらい?)だから、一列にならんでると、ガックリくるんよね ε=(-ω―;) 」「顔写真と言うのはその人が何に興味を持っているかという一つの判断材料となり、私は顔写真に猫を使っている人中心につっついて来ましたが、それができなくなってしまったのです」――アバター自動表示に反対する人の日記にはこんな声が並ぶ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス