サンフランシスコ発--Intelは大企業だ。資金も豊富で人材も揃っている。個別の2業界に乗り込むには、その両方が必要である。
同社が公式に追求する次の大事業は、モバイルコンピュータにほぼ確定している。しかし実際にはこれは2つの大事業に分割される。Intelは、「Mobile Internet Device(MID)」と呼ばれるハンドヘルドコンピュータの全く新しいカテゴリを生成しようとしているだけではなく、これらの機器で利用するための全く新しいネットワークを構築しようとしている。
Intelの幹部であるDadi Perlmutter氏とAnand Chandrasekher氏は米国時間9月19日午前、当地で開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」の2講演において、同社のモバイル戦略を明らかにした。この数年間、Intelのモバイル戦略の中心はノートPCであったが、最近では単なるPC以上に目を向けている。
Intelは、多くの優れた機能を搭載した新しいプロセッサ「Silverthorne」の2008年の出荷予定を確定した。Chandrasekher氏は、Silverthorne上に構築されたプロトタイプデバイスを披露した。その外観は、あまり売れ行きがよくなかったUMPCに恐ろしくよく似ている。スマートフォンよりは大きく、スタイラスが必須で、固定のキーボードを持ったものが多い。同氏は、低消費電力を実現する新しい概念「Moorestown」についても説明した。その消費電力は、Silverthorne搭載予定のプラットフォーム「Menlow」の10分の1になる予定だという。Chandrasekher氏によると、Silverthorne自体の消費電力は、元の「Banias Pentium M」チップの10分の1であるという。
Intelは、次世代のチップ競争に向けて、モバイル業界における「ARM」ベースのプロセッサに対抗して同社のSilverthorneチップを提供する。携帯電話内部に同社のチップを提供しようと努力したが失敗に終わったIntelだが、今度はMIDを、スマートフォンの代替として、Chandrasekher氏いわく「ポケットに収まるインターネット」として大々的に売り込もうとしている。IDFの壇上に展示されたMIDはどれも筆者のポケットにはすっぽりと収まりそうにないため、同氏のポケットは筆者のものよりも大きいに違いない。
同社は、Moorestownにより、その目標にもう少し近づくだろう。Chandrasekher氏は、同チップについてはあまり語らなかったが、その概念的なデバイスを披露した。それは驚くほど「iPhone」に似ており、その長さを引き伸ばしたような形だった。ただの偶然だとは思うが。
しかしIntelの提携企業らが同社のモバイルチップを使用して何を製造しようとも、それらは何らかの形でインターネット接続を持つ。そこで登場するのがWiMAXである。Intelはもう数年前からWiMAXについて、携帯ネットワークの代替として、また、莫大な費用をかけて世界中を高速ケーブルで接続する構想を語ってきた。やっと同社の主流製品を使用した試験を開始する準備が整ったようだ。
Intelは2008年、「Montevina」という製品で同社のノートPC技術を一新する予定である。「Penryn」プロセッサ、新しいチップセット、および「Centrino」ブランドの一部としてオプション提供が予定される高集積Wi-Fi/WiMAX無線もリリースされる予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力