米Appleの携帯電話「iPhone」、ここ欧州でも大きな話題だ。
1月のiPhone発表時、Appleが「欧州市場のローンチは今年秋」としていたことから、夏も終わりに近づくにつれ、Appleが欧州市場でどのように展開するのか、さまざまな憶測が出ている。
大きな焦点は、1)オペレータ、2)3Gか否か、の2つ。中でも、8月以来、オペレータがどこになるのかに関するうわさが絶えない。
Appleの欧州パートナーとして最初に浮上したのは売上高ベースで世界最大手の英Vodafoneだ。だが、英国市場に関してはその後、英O2説が優勢(英国市場は、Vodafon、O2、独T-Mobile、仏Orangeの4社がシェアを分け合っている)。
8月に入り、英国だけでなく、フランス、ドイツの2市場に関してもうわさが出るようになった。この2カ国に関しては、フランスがOrange、ドイツがT-Mobileで憶測は一致している(Orange、T-Mobileは、ともに地元最大手のオペレータ)。
数々のうわさ報道に追い討ちをかけるように、8月21日に英Financial Times(FT)紙が「iPhoneオペレータはO2、Orange、T-Mobile」と報道。これは、姉妹紙のFinancial Times Deutschlandが近い筋から得た情報という記事で、Apple、もしくはオペレータが正式に発表したわけではないし、4社ともこの報道を認めていない。その後、Orangeの担当者はAppleと話し合いを持ったことを認めたが、Appleは複数のオペレータと話し合っているともコメント。信頼のあるFTの記事だけに、3社でほぼ確実という見方がされているが、いまだに行方がわからない状態だ。
オペレータはさておき、端末ベンダーがオペレータを選ぶという点で、iPhoneはこれまでの欧州モバイル市場のビジネスモデルをまったく無視したものとなる。また、FTの記事では、Appleとオペレータは、Appleが通話とデータ通信の売上げの10%を得ることで合意したという。欧州市場は、日本と比べると端末ベンダーが主導権を握っている市場だと思うが、ネットワーク利用による売上げを端末ベンダーがシェアするというのは初めてのことだ。今後、このモデルを踏襲する端末ベンダーが出てくる可能性もある。そうなれば、なんとかしてモバイルに進出しようとしている米Googleなどのコンテンツ側も、アプローチがかわってきそうだ。iPhoneの到来(襲来)は、欧州モバイル市場にさまざまな影響を与えることになりそうだ。
iPhoneの欧州展開については、現時点では、ドイツ・ベルリンで8月31日より開催される消費者家電イベント「IFA Internationale Funkausstellung」にて発表されるといううわさだ。ここで出なかった場合は、9月のフランス・パリの「Apple Expo」になる可能性もある。
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