米国時間8月24日、Googleの電話が2週間以内に発売されるかもしれないという新しい噂がインドで起こり、再びGoogle電話発売の噂が駆け巡った。
Rediff.comは、Googleがインドの3大携帯事業者のうちの2社Bharti AirtelとVodafone Essarに新しい「Gphone」を提供する話し合いをしていると報じた。同記事では、Gphoneが米国と欧州でも同時に発売されるという非公表の複数の情報筋による情報も掲載している。同記事によると、米国において残る唯一の課題は、米連邦通信委員会(FCC)の承認であるという。米国内で販売されるすべてのワイヤレス機器はFCCの認可を受ける必要がある。
Googleはこの噂に関してはコメントしないとしたうえで、「世界の情報へのアクセスをユーザーに提供することを使命としており、その中でモバイル事業は日々刻々と重要性を増している」という声明を出した。
読者がこの種の電話発売に狂喜し、入手しようとどこかに並び始める前に、筆者がこの噂がデマだと思う理由を説明しよう。まず第一に、Googleは一度も独自の携帯電話を開発していることを認めたことはない。Appleに対抗して独自の電話を開発することは非常にカッコよく聞こえるが、それはより多くの広告収入を得るためにウェブ向けのソフトウェアアプリケーションを開発するというGoogleのビジネスモデルに合致していない。
Googleの特別イニシアチブの責任者であるChris Sacca氏を含めて同社の幹部らは、携帯電話市場には多大な競争と革新が存在すると思うと公言している。
Sacca氏は、2007年7月のCNET News.comのインタビューに応じ、「世界中において携帯機器市場は、競争と革新が存在する健康的な環境にあると思う」と述べた。「ただ米国では、チャネルがその革新を妨げている」(Sacca氏)
そしてつい先週にはGoogleの検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデントであるMarissa Mayer氏が、同氏所有の「iPhone」上で動作するGoogleのアプリケーションのすばらしさを披露したばかりである。以上からもGoogleが「iPhone対抗製品」を構築したいと思う理由が筆者には見当たらない。
とはいえ、Googleがモバイル事業に着目しているのは明らかである。同社は2007年に新しいモバイル製品をいくつか発表した。また同社最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は最近、2008年初めの700MHz帯域のオークションに同社が参加する予定であると述べた。ライセンスを取得した場合、同社がその帯域で何をするつもりなのかは明確ではない。
筆者は、Googleが提携ハードウェア企業とともに、Googleのアプリケーション向けに最適化され、それらを多くプリロードしたスマートフォンを開発しているというのが真相に近いのではないかと考えている。The Wall Street Journalなどが最近報道したプロトタイプとされるものは、同社が、新しいアプリケーションをデモしテストするために提携企業とともに開発したモックアップではないかというのが筆者の推測である。
では、Googleの主導で未知のハードウェア提携企業が製造した携帯機器が本当に2週間以内に発売されるのだろうか? それは少し早すぎると筆者は思う。FCCのウェブサイトを24日に調べてみたが、Googleの製品は1つもFCCのテストに申請されていなかった。もちろん上述の推測通り、Googleが提携企業とともに開発しているとすれば、その製品が別の企業名でFCCファイルに登録されている可能性はある。
筆者は、Google機能を搭載した携帯電話は、2007年中か2008年初めに発表される可能性が高いと予測する。筆者はGoogleの現行のモバイル戦略がどのように発展していくかに注目するつもりなので、今後の展開に期待していてほしい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」