米NextWave Wirelessがアイピーモバイルを買収し、日本での携帯電話事業に参入することがわかった。7月13日にアイピーモバイルの筆頭株主である森トラストとNextWave Wirelessとの間で調印が完了している。
NextWave Wirelessは森トラストが保有するアイピーモバイル株(発行済み株式の69.23%)を取得する。
アイピーモバイルはTD-CDMAと呼ばれる技術を使い、データ通信を中心とした携帯電話事業に参入する計画だった。2007年春の事業開始を予定していたが、資金不足に陥り、4月より森トラスト傘下となっていた。
NextWave WirelessはIPWirelessを子会社に持ち、アイピーモバイルと同じくTD-CDMA方式を採用したワイヤレスブロードバンド製品とネットワークを提供している。アイピーモバイルはこれまでTD-CDMA方式でのワイヤレスブロードバンド通信網のサービス開始に向けてIPWirelessとの協力を行ってきたという。
NextWave Wirelessによる今回の投資は、アイピーモバイルがワイヤレスブロードバンドサービスを2007年末までに展開できるように支援することを目的としている。2005年11月に2GHz帯域の電波割当を取得したアイピーモバイルが、総務省より携帯電話免許の交付から2年以内のサービス開始を求められているためだ。
NextWave Wireless代表取締役会長兼CEOのAllen Salmasi氏は、「アイピーモバイルの商用ネットワークがスタートすれば、日本の世界クラスの企業が、わくわくするような一般消費者向けの新製品やアプリケーションを日本市場に投入し、ワイヤレスブロードバンドのサービスと技術における日本のグローバル規模でのリーダーシップをさらに強めるために、アイピーモバイルの未来に対して投資してくれるであろうと期待している」とコメントしている。
アイピーモバイルは「今後の事業展開についてNextWave Wirelessとの具体的な話はこれからしていく」(取締役の竹内一斉氏)と述べるにとどめている。
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