オープン型のビジネスという意味では、携帯電話事業者が検索サービスの提供を開始し、公式サイトだけでなく一般サイトにも門戸を開いた2006年の出来事は多くのモバイルサイト運営者に影響を与えている。今後の検索関連市場はどうなるのか。ウェブドゥジャパン、CAテクノロジー、シリウステクノロジーズの3社が未来を予測した。検索サービス事業者はヤフー、グーグルのほか1、2社程度しか残らないという厳しい意見が飛び出し、依然として携帯電話事業者の動向に大きく影響を受ける点を懸念していた。また、モバイルサイトの場合はYahoo! JAPANよりもページビュー数の多いサイトがいくつもあることから、こういったサイトにコンテンツ連動型広告が掲載されると大きなビジネスが生まれるとの意見が出た。
一般サイトの大手運営会社であるディー・エヌ・エーやリクルート、モバイルを使ったキャンペーンを数多く手がけるりーふねっとの3社は、一般サイト成功の鍵について語った。ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」は無料ゲームで集客し、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)機能でユーザーの定着を図ることに成功。また、リクルートの「R25モバイル」はフリーペーパーや屋外広告などと組み合わせることで広告単価を向上させた。りーふねっとはロッテのガーナチョコレートで無料の着信メロディがあたるキャンペーンを仕掛けて成功させた実績から、ほかでは手に入らないコンテンツを高品質で提供すれば、口コミであっという間に広まるとした。
IT関連会社ではない企業も、モバイルの活用には注目している。全日本空輸(ANA)は携帯電話を使って航空券の予約や発券などができるようにしており、日本コカ・コーラもモバゲータウンで新商品のキャンペーンをするなど積極的なプロモーションを展開している。若者にリーチでき、いつでもすぐ利用できる媒体としてモバイルに期待する一方、効果を図る指標が確立されておらずほかの媒体との比較が難しい点を課題として挙げた。
日本のモバイル業界は端末の進化や高速接続といった支えによって、世界でも最先端の部類に入る。コンテンツ、サービス事業者にとっては、自社のモデルをいかに海外展開していくかが成長の大きな鍵の1つになる。サイバードホールディングス、タイトー、フラクタリストの3社は自社の事例を元に、それぞれ北米、欧州、中国での展開について披露。現地で一緒にやっていくパートナー企業や社員をいかに選び、コミュニケーションをとっていくかが鍵になるとした。
特別講演には、グーグル ストラテジック パートナー ディベロップメント マネージャーのラーゲリン・ジョン氏が登場。世の中の知識がモバイルインターネットを通じて手の中に届くのは、その人にとって大きな武器になるという考えを示す。また、日本ではインターネットユーザーの4分の1が携帯電話しか使っていないが、こういった人にもグーグルの価値を提供したいとして、モバイルサービスを強化するとした。グーグルの世界的な方針として、モバイルサービスは日本から世界へ発信していくとのことだ。
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