調査会社のCFI Groupは米国時間9月30日、新たなスマートフォンユーザーの大半が、数年前まではビジネスユーザーが主であったのに対して、現在ではコンシューマーによって占められるようになっており、非常に大きな変化が見られているとの調査結果を発表した。
「CFI Group Smartphone Satisfaction Study 2009」と題した同調査では、スマートフォンユーザーが、単に電子メールのチェックや打ち合わせのスケジュール確認などにとどまらず、インターネットの閲覧、動画や音楽のストリーミング、ゲームのダウンロード、写真の撮影などを楽しんでいる様子が明らかにされている。CFIによると、スマートフォンは現在、携帯電話というよりはミニコンピュータとして、多くのコンシューマーに評価されるようになっているという。
スマートフォンの成長をもたらしたのは、予想通りにAppleの「iPhone」であることが示されており、iPhoneはスマートフォンの中でも突出した評価を集めている。同調査では、iPhoneが最もユーザーからの支持や称賛を得ており、iPhoneの所有者の92%が理想的な携帯電話を持っているとの認識を示していることが明らかにされた。およそ90%のiPhoneユーザーが他の人にもiPhoneを勧めているものの、伝え聞いたアドバイスをもとにiPhoneを購入した人は35%に過ぎなかった。
また、CFIによれば、iPhoneは顧客満足度でもトップに立ち、100点満点のスケールで83ポイントを獲得した。より新しい「Palm Pre」や「Android」がベースに採用された携帯電話の顧客満足度は、いずれも同スケールで77ポイントとなっており、Research In Motion(RIM)の「Blackberry」が73ポイント、「Palm Treo」が70ポイントと続いている。「Windows Mobile」や「Symbian」を搭載する携帯電話など、その他の分類の全体的な評価は同リストで66ポイントにとどまった。
CFI GroupのプログラムディレクターであるDoug Helmreich氏は「iPhoneによって、まったく新しいコンシューマー層の想像を掻きたてることができなければ、これほどまでにスマートフォンの成長がもたらされることはなかったであろうし、それゆえにiPhoneはスマートフォン業界にとって最高の存在である」と述べた。
しかしながら、いまやコンシューマーのスマートフォンに対する要求は高まってきているゆえに、スマートフォン利用の拡大は難しいジレンマでもある。とりわけAT&Tなどの携帯電話キャリアは、人々が望むクオリティでサービスを提供するために奮闘を余儀なくされてきた。こうした理由や他の要因により、同調査では、最も人気のあるスマートフォンと最も人気のあるプロバイダーに相違が見られている。
携帯電話キャリアの中では、回答ユーザーの86%から理想のキャリアとしてVerizon Wirelessが挙げられており、顧客満足度でも100点満点中で79ポイントを記録した。だが、Verizon Wirelessの顧客のうち、現在利用中の携帯電話が理想のスマートフォンであると考えているユーザーは38%に過ぎず、この数字は全キャリアの中で最低であった。
一方、AT&Tでは状況が逆転し、iPhoneユーザーの間ではより顕著になっている。調査対象となったiPhoneの所有者の半数が他のプロバイダーへと移行したいと答えているのに対して、iPhoneユーザー以外のAT&Tの顧客の75%は、今後もAT&Tを利用していきたいと回答している。AT&Tの顧客満足度は、iPhoneユーザーの間では100点満点中で69ポイントだったものの、非iPhoneユーザーからは73ポイントを獲得した。
同調査では、コンシューマーがiPhoneにより多くを求め続ける中で、他のキャリアは打撃を受けることになるかという疑問も提起されている。
Helmreich氏は「他のスマートフォンのみならず、ネットワークにとっても、iPhoneによって示された水準は高まっている。これまでとは異なる層の新たなスマートフォンユーザーは、より多くを携帯電話に求めており、iPhoneによって明らかになったのは、膨大なデータが求められる中での氷山の一角に過ぎないのかもしれない」と語った。
CFI Groupは今回の調査対象として、8月3日から10日にかけて1074名のスマートフォンユーザーへ利用状況に関するアンケートを実施した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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