Wall Street Journal(WSJ)の編集長がニュース集約サイト(特にGoogleやGoogle Newsサイト)を「寄生虫、つまりテクノロジ分野のサナダムシ」と非難し、Associated Press(AP)の会長が、活字メディアのコンテンツが著作権を侵害してオンラインで使用されないようにする構想を発表した翌日の米国時間4月7日、Googleはブログで反論した。
Googleの副法務顧問であるAlexander Macgillivray氏が書いたブログ投稿の要旨は、「非難の矛先を当社に向けるな」というものだ。
Macgillivray氏は次のように書いた。「われわれは、米国の著作権法に謳われている公正使用の定義に従って抜粋やリンクを表示している。著作権法は著作権所有者にこうした使用を禁止する権利を与えていないが、当社のインデックスからコンテンツを削除することをあらゆる著作権所有者(今回の件では新聞社や通信社)に認める方針をとっている。著作権所有者はただ、われわれにコンテンツの削除を要請するか、単純な技術標準を実装するだけでいい」
APについては、Googleはすでに、記事や写真を転載するためにAPに料金を支払っている、とMacgillivray氏は指摘した。数年前の論争を受けて、この取り決めが交わされた。
もちろん、ニュース集約サイトはGoogle Newsだけではない。Digg、Drudge Report、The Huffington Postも大手のニュース集約サイトだ。とはいえ、Googleが最大手なのは疑いの余地がない。
ここ数年、多くの主流メディア(特に印刷メディア)が売り上げや影響力、読者数を減らし始めるなか、そうしたメディアの一部からは、不振の原因はGoogleだ、というかなり明確な主張が出てきた。時を同じくして、ViacomはGoogle傘下のYouTubeを相手取り、海賊版ビデオコンテンツをめぐる10億ドルの損害賠償訴訟を続けている。さらに、出版業界の多くは、Googleが推進する書籍のデジタル化計画をけっして支持していない。
コンテンツをオンラインで無料提供するのはそもそも良い考えではなかったのではないか、という論争をめぐって、窮地の新聞社と対立しているGoogleは、無料コンテンツの最大の提供元であることから、標的にされやすい。
だがGoogleは、同社は問題ではなく解決策の一部だと述べ、Googleの検索サイトやニュース集約サイトはトラフィックをニュースサイトに誘導する働きしかしていないと主張している。
「私のようなユーザーたちが、Googleの各種サイトから新聞社のサイトに誘導されており、1カ月あたりのクリックは10億回を超える。規模の大小、米国内か国外かに関係なく、あらゆるパブリッシャーに、これらのクリックが昼夜を問わず向かっている」と、Macgillivray氏は投稿の中で述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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