IDC Japanは4月6日、国内の中堅中小企業のIT投資予算に関する調査結果を発表した。2009年度のIT投資予算を「減少する」と回答した企業は40.9%で、前年調査時の19.6%から大幅に増えた。
産業分野別では、特に製造業、ITサービス業、その他(建設/土木業、公共/公益業など)で「減少する」と回答した企業の割合が高くなっている。このことから2009年の国内中堅中小企業IT市場は、これらの産業分野を中心に大幅に減速し、縮小するとIDC Japanでは予測している。
IT投資の重点分野では、従来から継続的に重点投資されてきた「セキュリティ強化」「コンプライアンス対策」に関連した項目も、ユーザー企業の業績の悪化から2009年度以降は減速する見込み。特に「ネットワーク/施設/ハードのセキュリティ強化」の項目を重点投資するとした企業の割合は、前年の42.8%から28.3%と大幅に減少した。
その一方で「市場分析」および「製品/サービス開発支援」といった戦略的な投資項目では、2009年度以降も堅調に推移している。特に「市場分析」は前年の6.3%から8.6%へと増加した。
中堅中小企業の抱える経営課題として最も多く挙がったのが「売上拡大」で、54.3%となった。また、ITの活用によって効果が期待できる経営課題としても「売上拡大」は27.4%と比較的多くの企業が挙げている。業績が厳しくなりIT投資予算が抑制される中でも、売上拡大を目的にした戦略的なIT投資に対する意欲は高いとIDC Japanは分析している。
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