Gartnerは米国時間3月2日、2009年における全体的なPC需要が前年比11.9%減少し、世界のPC業界は「史上最大の下げ幅」を記録するとの分析を発表した。
この新たな予測値は、これまでの下げ幅の記録である2001年の3.2%という数値を塗り替えることになる。Gartnerの声明によれば、新興市場と成熟市場のいずれにおいても「前例のない市場減速に陥る」ことが予想されるという。
新興市場におけるPCの売り上げが最悪の結果を記録したのは2002年の11.1%増だが、2009年には10.4%の収縮が見込まれている。Gartnerによれば、成熟市場におけるPCの売り上げは2001年に7.9%という記録的な下げ幅を見せたが、2009年は13%の減少になるという。
比較的明るい材料の1つはネットブックの成功で、2009年の出荷台数は総計2100万台と見込まれており、2008年の実績1170万台からほぼ倍増する。Gartnerの報告書によれば、ネットブックは「PC市場全体の減速を緩和するが、市場の急激な落ち込みを補うには依然として少な過ぎる」という。
2009年におけるネットブックの出荷台数は、PC出荷台数全体の8%を占めると予測されている。
GartnerのシニアアナリストAngela McIntyre氏は、声明の中で次のように述べた。「成熟市場は引き続き(ネットブックの)主要な消費者であることは変わらないが、低価格化が進むにつれ、ますます多くの新興市場の消費者をひきつけることになるだろう」
同じくGartnerのシニアアナリストであるRanjit Atwal氏によれば、すべてのPCサプライヤーにとって、今後数カ月は厳しい状況が続くだろうという。「結局のところ、どの市場を対象に、どの程度露出しているか(中略)といった問題になる」と同氏は述べた。
Atwal氏は2日、ZDNet UKに対し次のように述べた。「Hewlett-Packard(HP)を見れば、家庭向けと企業向け市場の双方に展開していることから、比較的健闘しているように見える。だがDellに目を転じると、同社は特定の市場、特に英国市場に大きく依存している」
Atwal氏によれば、PC市場の減速に対するメーカーごとの反応は、PC市場に対する相対的な露出度合いにより異なるという。「東芝やソニーなどの企業はPC市場に依存していない」と同氏は指摘した。「これらの企業には、もはや価値がないとなればあっさり撤退するという選択肢がある。だからといって、そうするだろうと言っているわけではないが」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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