昨年秋から国内主要メーカーが次々新規参入し、本格化したと言えるミニノートパソコン市場。2008年9月以降、ミニノートパソコンに関する意識調査を継続的に行ってきた。
2008年12月の調査では、ミニノートパソコンの機能面で「軽量化(80.8%)」「長時間駆動(73.9%)」「耐久性(48.1%)」が消費者が求める機能トップ3に選ばれた。また、価格面では2008年11月の調査で8割近くが「今後価格はもう少し安くなる」、3人に1人が「もっと安くなれば購入する」と回答した。
そういった結果を踏まえ、メーカーに対しおススメ機種のアンケートを行い、主要メーカー7社から回答を得た。なお、日本エイサー、日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパン、デルの4社からは回答を得られなかった。回答各社と一押し機種は以下の通り。
回答した中で唯一の海外メーカーであるアスース・ジャパンは、2009年2月発売の「Eee PC S101H」をあげ、第1のおススメポイントは「デザイン」とした。次いで「基礎スペック」「PC本体の大きさ」といったアピールポイントをあげた。
また、オンキヨーも一押し機種としてあげた「SOTEC C102B4」で「デザイン」を第1のおススメポイントとしており、次いで「その他(大型キーボード&タッチパッド)」「液晶の大きさ」というポイントをあげている。
アスース・ジャパン、オンキヨーの両社は、2008年12月に行った消費者調査で「低価格が魅力的なメーカー」という声を集めている。消費者にとっては低価格イメージの強いメーカーではあるが、メーカーとしては価格面ではなく「デザイン」を最大のアピールポイントとした点は注目される。
2008年9月の消費者調査で「ミニノートパソコンを発売してほしいメーカーNo.1」となったソニーが一押しとしたのは「VAIO typeP」。おススメポイントは、ポケットに入るサイズを強調したCMの印象の通り「PC本体の大きさ」がトップ、次いで600グラム前後の「重量」、 3位に「デザイン」となっており、「常に持ち歩くためのPCとはどうあるべきかをゼロから考えて作りあげた」とその開発コンセプトを寄せた。
NECは「LaVie Light」をあげ、1位に「その他(使いやすさ)」、2位「その他(安心感)」、3位「メーカー・ブランド」をおススメポイントとした。充実したサポートなどのサービスも魅力であるとアピールしており、NECとしての信頼感や安心感を出しているようだ。
東芝は起動時間の速さが魅力の「SSD搭載」を第1のおススメポイントにした「ネットブック NB100/HF」を一押しにあげた。次いで「メーカー・ブランド」の信頼感や、「シャンパンゴールドを採用し、上品な質感を出した」とコメントを寄せた「デザイン」をアピールポイントとしている。
「FMVブランド」のイメージが浸透する富士通は「FMV-BIBLO LOOX Uシリーズ」をあげ、「とにかく小さく、軽い」という約565グラムで手のひらに乗るほど小さなボディをまずアピールした。同機種は画面が回転し、タッチパネル画面としても使えるなどコンパクトながら「高機能」を擁しており、それゆえ高めの設定となった価格帯がどう影響するか注目される。
工人舎は「SC,SXシリーズ」を一押し機種としてあげ「PC本体の大きさ」を基本に、SCシリーズでは「ワンセグ」「GPS」といった機能が掲載されている点、SXシリーズでは「光学ドライブ内蔵」といったPCとしての機能性をアピールした。
各メーカーがあげた、価格以外に注目して欲しい機能や要素・アピールポイントはいずれも個性的。新商品・新技術のPRに各メーカーがしのぎを削っているだけに、ユーザーはどのメーカーのミニノートパソコンを選ぶのか、2009年の展開が気になるところだ。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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