日本人女性の20人に1人が発症するといわれる乳がん。自己チェックや検診による早期発見への呼びかけが行われているが、実際のところ人々の意識や行動にどの程度反映されているだろうか。20代から40代を中心とするネットユーザー男女402名の回答を集計した。
女性(182名)を対象に「乳がんの検診を受けたことがあるか」聞いたところ、「定期的に受けている」と回答したのは17%にとどまり、「不定期だが受けている」をあわせても45.1%で、受診経験者は半数に満たなかった。
年代別に見ると、乳がん発症のピークとされる40代では、受診経験率は60%で他の年代を上回るものの、定期的に検診を受けているのは4人に1人しかいない。次いで発症率の高い30代でも定期検診を受けている人は15.5%、20代ではわずかに3.3%という結果だった。
最も多かったのが「受けたいと思っているが受けていない」との回答で、全体の43.4%。特に20代では56.7%にのぼった。一方、「受けたいと思わない」との回答も11.5%で、20代ではほぼ4人に1人だった。
2003年から行われている「乳がんの早期発見の大切さ」を伝えるキャンペーン「ピンクリボン運動」について知っているか聞いたところ、「詳しく知っている」と答えたのは全体の10.7%。女性でも15.4%にとどまり、男性ではわずかに6.8%だった。
「詳しく知っている」「なんとなく知っている」をあわせた認知率は全体では過半数だが、女性の72.5%に対し男性では45.0%と圧倒的に低く、「知らない」男性も約40%と、男性の関心の低さが浮き彫りになった。年代別では30代の認知度が他の年代をやや上回った。
認知している人を対象に、ピンクリボン運動についてネットで検索をしたことがあるか聞くと、「ある」と答えたのは全体の14.3%。40代で20.5%と他の年代よりやや高いものの、全体にネット情報が活用されているとはいえない状況だ。乳がんは年々増加傾向にあり、キャンペーンの認知度を高める方策を検討する余地はありそうである。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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