最近の経済ニュースはどれも暗いものばかりと思われるかもしれないが、世界が不況の闇に包まれる中、ビデオゲーム業界だけは非常に明るい例外の1つとなりそうだ。
米ビデオゲーム業界の11月の業績は極めて堅調だったことが、米調査会社NPD Groupが米国時間12月11日にリリースしたデータから明らかになった。この結果は、ビデオゲーム業界は不況に強い業界、あるいは、少なくとも他の大半の業界よりは不況をうまく切り抜けられる位置にいるのではないか、との見方を後押しするものだ。
NPDのリポートによると、ビデオゲーム業界全体の2008年11月の売上高は、前年同月の26億4000万ドルから10%増の29億1000万ドルだった。また、1月〜11月までの売上総額は、前年同期の131億4000万ドルから22%増の160億4000万ドルとなった。
これはビデオゲーム業界の関係者たちにとっては間違いなく朗報だ。しかし、このニュースは、特に、さもなければ非常に困窮している米国経済にとっても、極めて稀な一筋の光だとNPDは指摘する。というのは、2008年11月は、前年同月よりも感謝祭後の日数が少ないためだ(編集部注:2007年の感謝祭は11月22日、2008年は11月27日だった)。
中でも最も多くのゲーム機を販売した企業は、またしても任天堂だった。11月の任天堂製ゲーム機の販売台数は、「Wii」が204万台、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」が157万台という驚異的な数字を記録した。一方、Microsoftのゲーム機「Xbox 360」の11月の販売台数は83万6000台だった。Microsoftによると、この数字は同社の11月の月間販売記録だという。またソニー製ゲーム機の販売台数は、「PLAYSTATION 3」(PS3)が37万8000台、「プレイステーション・ポータブル」(PSP)が42万1000台だった。
このように11月は、任天堂の強さが際立った。Microsoftは、Xbox 360の最下位モデルの価格を249ドルのWiiよりも安い199ドルまで値下げしたにもかかわらず、Wiiの販売台数はXbox 360を大幅に上回った。
しかし、Microsoftにとっての朗報は、11月に最も良く売れた2本のビデオゲームソフトがいずれもXbox向けだったことだ。その2本は、「Gears of War 2」と「Call of Duty: World at War」で、11月の販売本数は、Gears of War 2が156万本、Call of Dutyが141万本だった。ちなみに、Call of DutyのPS3版の販売本数は59万7000本だった。
しかし、米国のゲームメーカーActivision Blizzardも負けてはいない。同社は、ゲームソフト「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」を発売日である11月13日の1日だけで280万本を販売し、ゲームソフトの一日の販売記録を樹立した。同ゲームソフトの11月の月間売上のデータは入手できていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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