金融不安の中でもヒットを生み出す15のキーワード--博報堂レポート

永井美智子(編集部) 吉澤亨史2008年12月09日 12時30分

 博報堂は12月4日、博報堂研究開発局による「ヒット因力2008-2009 不安をfun!へ」と名付けたレポートをまとめ、発表した。レポートでは、ヒット商品を生み出すための15のキーワードを挙げている。

 サブプライム問題を発端とした金融ショックから、経済は深刻な状況に陥っている。しかし、博報堂は「企業も生活者も365日不安におののき、身を縮めることのみで活動しているわけではない。むしろ広がる不安の中からこそ、新しい満足感につながるSEEDS(種)が生まれている」と分析。その上で、逆風を追い風にするような新しい価値提案を、2008年から2009年の注目すべきヒットの要因ととらえて、3項目15種類に分類した。

 1つめは、話題性や物語を付与することで満足感を与えるもの。具体的には以下の5つがある。

  • +エコ・健康の達成感
    高速バス、自転車など、節約、節制感が達成感や話題性に働く
  • +2時間ファンタジー
    高級駅弁、国内線ファーストクラスなど、2時間程度のリッチなサービスには、財布のヒモがゆるむ
  • +背景ドラマ
    アウトレットモール、スウェーデン発カジュアルブランド、タッチパネル式高機能携帯など、単に買うだけでなく、購入のエンターテイメント感が、消費の夢を豊かにする
  • +お試し感
    家庭用フィットネスゲーム、バナナダイエットなど、ストイックな鍛錬を想起させる課題に、気軽さや楽しさをプラスする
  • +劇画的アイコン
    お姫様系ファッション、お菓子型雑貨など、わかりやすい自己演出アイテムを提供する

 2つめは、焦点を絞ることで安心感を与えるもの。具体的には以下の5つがある。

  • 純・商品
    エコノミーパソコン、プライベートブランドなど、付加価値から本来価値へ立ち戻り、要らない機能やイメージにお金を払っている感覚を払拭する
  • 単・TPO
    朝晩専用商品など、目的やシチュエーションを1点に絞ってマーケティングする
  • 脱・ネットワーク
    一人旅、お手軽修行体験など、情報の奔流から逃れて、ひとりを楽しむ
  • 根・つなぎ
    地元発ブランド、親子向け玩具など、地域や家族などの小さなオフライン関係に回帰する
  • 懐・カルチャー
    リバイバル玩具、崖の上のポニョなど、かつての日本や子どものころの原体験に立ち戻る

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