GoogleはYouTubeで、コンテンツと広告の新しい可能性を探るテストを開始した。「Star Trek」「Beverly Hills 90210」「MacGyver」のそれぞれ約50分のエピソード計15本に、新型の広告が挿入されるようになったのである。
Googleは米国時間10月10日、同社のYouTubeブログで「ユーザーからリクエストされた人気作品を手始めに、YouTubeでノーカット番組のテスト配信を始める」と発表した(編集部注:配信先は米国内のみ。日本は対象に含まれない)。
(ノーカット番組を流すことだけでなく)映像と広告の新しい手法の実験でもある今回の取り組み。ここでは、Research in Motion(RIM)の「BlackBerry」や、Intelの「Centrino」チップテクノロジーの広告が映像上を流れている。YouTubeブログによれば、番組開始前の15秒広告のほか、番組中、番組終了後にも広告が流れるという。Googleは「この新フォーマットをテストする中で、ノーカット番組に広告を出す際の選択肢を、提携先にいっそう多く提供できるようにしてゆきたい」と述べる。
ノーカット番組の配信では、広告表示方法の今後を切り開く可能性を秘めた手法も取り入れられている。YouTubeから収入をより多くあげることを最優先課題に掲げていた最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏が2008年になって言及していた「インザクロム広告」(ビデオの再生前に流すプレロール広告と再生後に流すポストロール広告をフレームに置く手法)だ。先日導入された「theater view」機能により、動画がスポットライトを浴びたように明るく照らされ、周囲を囲む赤いカーテンの部分が暗くなるようになっている。さらに「lights-out」モードを活用することで、従来のYouTubeインターフェースを踏襲しつつ、背景部分を暗くして、広告を明るく照らすことができる。
このたびの実験に利用されるテレビ番組はすべてCNET Newsを所有するCBSの番組だ。
YouTubeが長編コンテンツを使った何らかのサービスを始めることは数カ月前から予想されていた。Googleは今回の試みを通して、どのくらいのユーザーが長編コンテンツに興味を示すか調査する。
YouTubeから多くの収入をあげることは、Googleが2008年の最優先事項として掲げている課題である。このたびのコンテンツと広告に関する新しい取り組みも明らかにその一環として行われ、同社とコンテンツ供給者との関係が発展していることを示している。現在係争中のViacomは例外として、コンテンツ供給者がYouTubeに対する態度を軟化させるケースが出てきているのである。
Schmidt氏は以前、YouTubeの膨大かつ急速に増加している映像のコレクションと広告を組み合わせた効果的な手法を見出すことについて、至高の目標を意味する「聖杯」に例えて表現していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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