eBayの中国における合弁事業となるTOM-Skypeは、ユーザーのテキストチャットを記録保存し、もし政府が好ましくないと考える話題に関連した特定のキーワードが含まれるならば、検閲の対象としていることが、カナダの研究者によって、現地時間10月1日に公表されたリポート(PDFファイル)で明らかになった。
「TOM-Skypeは、特定の問題となるキーワードが含まれたテキストチャットメッセージを検閲して、ログを保存しており、もしかすると、よりターゲットを定めた監視も進めている可能性がある。TOM-Skypeが、Skypeユーザーのセキュリティやプライバシーなどを軽視して、広範囲な監視行為に携わっていることは明白である。これは、中国におけるサービス提供方針として、Skypeが公に明らかにしてきた情報と、如実に矛盾している」と、同リポートは結論づけている。
検閲対象となるキーワードには、台湾の独立、中国で活動が禁止されている宗教団体「法輪功(Falun Gong)」、中国共産党に反対する政治活動などに関連した用語が含まれると、トロント大学の「Citizen Lab」が発表したリポートに記されている。
また、TOM-Skypeのサービスでは、(中国国外の)Skypeユーザーからの通話も含めて、TOM-Skypeのユーザーにかけられた音声通話や、送られたテキストチャットの詳細なコンタクト情報および個人情報が含まれた、数百万件のログが、定期的に記録保存されていることも、研究者によって指摘されている。
さらに、同リポートによれば、データ収集の容疑に加えて、TOM-Skypeユーザーのプライバシーを保護する上でも、不十分なセキュリティしか整っていないようだ。ログファイルを解読するために必要な記録情報は、外部からもアクセス可能なサーバ上に保存されているという。
トロント大学の政治学助教授のRonald J. Deibert氏は、The New York Times紙に対して、「これは実際に生じている、監視をめぐる陰謀理論家による最悪の悪夢である.異星人こそいないものの、まるで『X-Files』ドラマのようだ」と語った。
この件に関して、eBayの関係者に対して、電子メールでコメントを求めたものの、速やかな回答は得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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