独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は9月29日、インターネット利用者を対象とした「2008年度第1回 情報セキュリティに関する脅威に対する意識調査」を実施し、報告書を公開した。この調査は7月18日から22日にかけて、15歳以上のパソコンインターネット利用者を対象にウェブアンケートをしたもの。有効回答数は5000名。
情報セキュリティにおける攻撃や脅威を表す言葉の認知度については、「フィッシング詐欺」「ワンクリック不正請求」「スパムメール」「スパイウェア」の4つの言葉で、90%前後の回答者が詳しい内容や概要、名前を認知していることがわかった。一方、「標的型攻撃」「ボット」「マルウェア」については、詳しい内容や概要を知っていると答えた人が全体の20%以下となっており、新しい脅威が認知されていないといえる。
また、過去1年間に情報セキュリティに関する被害やトラブルを経験したことがあるかという質問では、「全く知らない差出人から大量のメールが送られてきた」が32.0%で最も多く、次いで「コンピュータウイルスに感染した」(20.1%)、「ホームページ閲覧中に、契約した覚えのない料金の支払いを要求するメッセージが表示された」(10.1%)となった。なお、金銭的な被害と関わりがあるトラブルを経験した回答者のうち、実際に金銭的な被害を受けたことがある回答者は4.5%に及んでいる。
無線LANのセキュリティに関する意識と対策の実施状況については、自宅で使っている無線LANの電波が外部に漏えいする危険性や、無線LANの電波を傍受することで通信内容が盗み見られる危険性、無線LANを経由し外部から不正アクセスによってパソコンへ侵入される危険性について、詳しい内容を認知している回答者がいずれも30%前後しかいなかった。
さらに、これらの危険性をまったく知らないとした回答者が、いずれも20%以上存在していた。また、無線LANのセキュリティ対策を実施していると回答した人は全体の55.4%にとどまるなど、無線LAN利用者のセキュリティ意識の低さが目立つ結果となっている。
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