「Twitter」のようなナノブログでは投稿の長さに制限があるため、「TinyURL」などのサイトで提供されているURL短縮サービスが必要だ。しかし、短縮サービスは無料で提供されているため、サービス提供側がどのように収入を得ているのか、また、利用者側の分け前はどこにあるのか、疑問に思わずにはいられない。
現在、広告収入で運営されているURL短縮サービスは(少なくとも)2つある。これらのサービスには収入モデルがあるだけでなく、利用者に収入を分配している。
この市場の新顔は「Adjix」だ。TinyURLと同様、短いリンクを作成するが、利用者は、コンテンツの上に小さな広告フレームが配置されたページに誘導される。Adjixリンクの作成者は、0.10ドルのCPM(掲載1000回当たりの料金)、つまり1リンク当たり0.0001ドルを受け取れる。広告のクリックスルーには1回当たり0.20ドルが支払われる。広告は0.35ドルのCPMと0.75ドルのクリックスルー料金で販売される。Adjixにとってかなりの利幅だ。
Adjixよりも古い「LinkBee」もサイトのリンクに対価を支払う。料金はサイトに掲載されていないが、LinkBeeは収入の50%を分配していると主張しており、Adjixよりも高い。LinkBeeのトップバナーはAdjixよりも大きくて押しつけがましいが、目的ページの前面にすきま広告(これを嫌う人たちからは「ブロッカー広告」とも呼ばれている)を挿入するオプションも提供されている。すきま広告は、わずらわしいと思う人がいる反面、いったん目的サイトにアクセスしてしまえば、そのサイト本来のエクスペリエンスを損なうことはなく、目的サイト自体の広告プログラムに干渉することもない。
一方で、TinyURLの創設者であるKevin Gilbertson氏の地元の新聞であるMinneapolis Star Tribuneによれば、同氏は「各URLにポップアップ広告を添付すれば」、1カ月で数百万ドル稼ぐことができると述べたという。「しかし、彼は主義としてそうしないだろう」と記事には書かれている。TinyURLでは、広告を添付する代わりに、メインサイトに掲載しているGoogleの広告から収入を得ている。こうした仕組みは、TinyURLのトラフィック数が多い場合にはうまく機能するが、比較的新しいサービスにはそれほど効果はない。TinyURLには収入を分配するモデルは存在しない。
一見すると、広告収入で運営されているURL短縮サービスは、経済的には意味があるように思われる。しかし、よく見てみると、URL短縮サービスでURLを公開している人たちは、既に認知されている何らかの利益(たとえばリンクしているサイトへの広告の掲載、広告メッセージの送信、あるいはお気に入りの公開など)をトラフィックから得ようとしている可能性が高いことに気づくだろう。さらにトランザクションの前に広告を置くことによって、せっかくのリンクの価値を下げてしまっている可能性もある。収入を得られるはずの短縮されたリンクからの支払いが少なければ、こうしたサービスによって、サービス利用者は収入を得るどころか、損をすることにもなりかねない。
しかし、こういうサービスでも、スパマーにとって、収入を得られる短いリンクは大いに意味がある。しかし、ほかの人たちにとっては、それほどではない。
おまけのリンク:www.hugeURL.com
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」