ソリッドステートドライブとハードディスクの速度差が縮小--IDC調査

文:Brooke Crothers(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年07月18日 11時45分

 Dellから128Gバイトのソリッドステートドライブ(SSD)が前代未聞の649ドルで発売される。だが、少し待ってほしい。IDCの調査報告書によれば、SSDとそれよりも低価格な高性能ハードディスクドライブの性能差はさほど大きくない。

 SSDの価格が下落し(容量が半分しかない多くのSSDが今なお700ドル以上で販売されていることを考えれば、Dellの649ドルは急激な値下がりといえる)、主流になりつつあることから、SSDはますます多くの注目を集めている。一般的に、SSDはハードディスクドライブよりも電力効率が高く、高速で、信頼性も高いと考えられている。

 IDCの調査報告書を引用しているSearchStorage.comによれば、IDCの研究員であるDavid Reinsel氏は、2.5インチ7200rpmデスクトップドライブとSSDの比較テストを実施したところ、前回のSSDとハードディスクドライブの比較テスト結果は誤りだった可能性を示唆する結果が出たと述べている。

 「多くのテストでは、4200rpmハードドライブとSSDが比較されていた。しかし、現在の主流は5400rpmであり、さらに7200rpmディスクも販売されている」とReinsel氏は述べている。IDCの報告書には、7200rpmの2.5インチドライブを搭載したコンピュータとSSDを搭載したコンピュータでは、システム全体の性能を考慮に入れる必要があるため、性能差は予想よりも小さかったと書かれている。

 (ただし、比較テストで一般的に4200rpmハードディスクドライブが使われているのは、「MacBook Air」、「Hewlett-Packard 2510p」などのノートPCでは、SSDモデルと一緒に4200rpmドライブ搭載モデルが提供されているためだ)

 また、IDCのReinsel氏は、SSDのすべての利点を引き出すには、PC、エンタープライズストレージシステムの両方でシステムの再設計が必要だと述べている。課題の1つは、一般的にSSDはデータの書き込み速度が読み取り速度より遅いということだ。

 Apple、Hewlett-Packard、東芝といった企業がハードディスクドライブに代わるものとしてノートPCに採用して以来、SSDは多くの注目を集めてきた。しかし、SSDが大企業のサーバ関連アプリケーションにも配備されていることを知る人は少ない。Citibank、American Expressといった企業では、IOPS(1秒間に実行可能な入出力処理数)によるサーバ性能の高さが実証されており、サーバではSSDがハードディスクドライブに大差をつけている。

 一部のレビューサイトは、使われた電力効率のテスト方法についてメーカーから抗議を受けているものの、IDCの報告書以前にも、SSDの電力効率はメーカーが主張するほどではないとするレビューが公表されている。

 IDCの報告書の抜粋は、IDCのホームページに掲載されている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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