独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)が発表した2008年上半期の「コンピュータウイルス・不正アクセス届出状況」によれば、3年前に比べてコンピュータウイルスの届け出数は6割減少したという。
2005年上半期のコンピュータウイルスの届け出数が2万8265件であったのに対し、2008年上半期は1万993件にまで減少した。1年間の検出数の推移を見ると、2007年9月から11月にかけては増加したものの、その後は減少傾向に移り、2008年3月以降は横ばいで推移している。なお、種類としては依然として「W32/Netsky」が総検出数の大多数を占める状況が続いている。
2008年上半期の不正アクセス届出状況では、届出件数が合計62件となり、前期に比べ届出総数は約17%減、被害にあった件数の割合は約13%減となった。そのうち、実際に被害があった届出は49件と全体の約79%を占めている。これらの原因の内訳は、IDやパスワードの管理不備が17件、古いバージョンの使用・パッチ未導入が5件、設定不備が2件などとなっている。
6月のコンピュータウイルス届出状況では、ウイルスの検出数は約23万6000個と、5月の約20万個から18.2%増加した。また届出件数は2002件となり、5月の1737件から15.3%増となった。検出数の1位は「W32/Netsky」で約20万5000個、2位は「W32/Mywife」で約1万4000個、3位は「W32/Mytob」で約4000個となっている。
不正アクセス届出の件数は13件であり、そのうち11件が何らかの被害に遭っていた。また、不正アクセスに関連した相談件数は36件であり、そのうち15件が何らかの被害に遭っていた。被害届出の内訳は、侵入6件、DoS攻撃が3件となっている。
2008年6月の相談総件数は1211件であり、2005年に統計を取り始めてから最多の件数を記録した。そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が372件(5月は320件)と過去最多記録を更新している。このほか、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が14件(5月は1件)、Winnyに関連する相談が4件(5月は8件)などとなっている。
またIPAでは、一般家庭の無線LANに関して「無線LANが外部から不正アクセスされていないか不安になった」という内容の相談が目立つことから、セキュリティ設定の確認を呼びかけている。無線LANのセキュリティ設定管理を怠ると、「無線LAN環境に侵入され、重要な情報を盗まれる」「無線LAN環境を無断で利用される」「通信データを盗聴される」といった被害が想定される。IPAではセキュリティ情報の設定が簡単にできる「Wi-Fi Protected Setup(WPS)」に対応した機器を使用するか、手動で設定するなどの対策を勧めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力