新興のブログ検索サイトTechnoratiが米国時間6月17日に、広告ネットワーク「Technorati Media」を立ち上げる、とTechCrunchが報じた。この動きは、今までブログの検索とディレクトリに注力してきたTechnoratiの新たな方向性を示すものだ。
TechCrunchの記事にコメントを投稿した人たちが指摘するように、これは厳密に言えば革新的な動きではない。広告ネットワークはいたるところにある。Technorati Mediaと「Glam Media」や「Federated Media」との違いはどうやら、トラフィックの多いブログだけでなく、トラフィックの少ない「小規模なブログ」にも広告を掲載し、広範囲に利用されているGoogleの「AdSense」よりも有利な条件を約束している点のようだ(ブログツールを手がけるSix Apartが行っていることと似ている)。
また、同記事によると、Twentieth Century Fox Film、Acura、Adobe Systems、Best Buy、Chevrolet、本田技研工業、Hewlett-Packard、Microsoft、Nike、Paramount Pictures、SanDisk、Scion、ソニー、Sun Microsystems、トヨタ自動車、T-Mobile、Universal Pictures、Verizon、Visaなど、数多くの一流企業がすでに広告主として名を連ねているという。
だが、ブロガーには懐疑的になる理由があり、それは、すでに非常に多くの広告ネットワークが存在するということだけではない。Technoratiはこのところ、業績の不振が続いているのだ。
Compete.comによれば、2007年以降、Technoratiのトラフィックは総じて減少傾向にあり、2007年11月に例外的に急増したものの、以降は落ち込んでいる。2007年8月には最高経営責任者(CEO)のDavid Sifry氏が退任し、数名の従業員がレイオフされた。
また、ブログ検索市場は「Google Blog Search」により飽和状態で、流行を調べるツールなら、投稿されたばかりのブログも検索対象にする「Twitter」のアプリケーションがたくさんある。
TechCrunchの投稿者の一部は、比較的小規模なパブリッシャーでもより多くの売り上げを上げられる、AdSenseに代わる広告ネットワークを歓迎した。だが、ほかの投稿者たちは、Technoratiのシステムの機能停止問題(Twitterほどではないが)を持ち出して、一部から経営難だと見なされてきた企業の新広告ネットワークに参加することへの懸念を示している。
ある投稿者は、Technoratiの経営陣に向けて、「ほかのことをする前に、まず検索クエリのRSSフィードを修正してほしい。RSSフィードは数週間前に機能を停止したままだ」とコメントした。別の投稿者は、「システムを機能させ続けることができず、私の投稿(のフィード)を追跡することもできないのに、それを追跡して広告収入を支払えるなどと考える根拠は何だろう?」と問いかけた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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