ワシントン州レドモンド発--Microsoftが、金の力を使って検索事業を強化しようとしている。だがこれはYahooを買収するという話ではない。
Microsoftは米国時間5月21日、同社の検索を通じて商品を購入した人に代金の一部を返金するキャッシュバックプログラム「Live Search Cashback」を開始した。
Microsoftは、同社の「Live Search」ウェブサイトで同キャッシュバックプログラムの詳細を明らかにし、FAQを含む情報も掲載した。
「われわれは、皆さんにご愛顧をいただき、それに対し、毎日のオンラインショッピングに対するキャッシュバックという形で恩返しをしたいと考えた。われわれは『皆さんにキャッシュバックする検索サービス』だ!」と、Microsoftは述べている。
すでに伝えられているとおり、Microsoftは当地で5月19日〜21日に開催したオンライン広告カンファレンス「advance08」で、自社の検索製品の機能強化を発表した。同社会長のBill Gates氏も21日に登場し、このイベントのメインとなる講演を行った。さらに筆者は、Microsoftがキャッシュバック以上の手をまだ隠しているといううわさも聞いている。
いずれにせよ、Microsoftが検索市場でシェアを拡大するのに金銭的なインセンティブを使おうとしたのは、これが初めてではない。これまでにも、Microsoftは「Live Search Club」などのプログラムで、同社の検索利用者に金銭を支払うキャンペーンを数多く展開してきた。
Live Search Clubにより、Microsoftの検索市場におけるシェアは2007年には一時的に増加したが、このシェア拡大は短い期間で終わってしまった。それ以降、Microsoftのシェアは再び後退し、1桁台に戻った。
キャッシュバックプログラムのニュースは、Search Engine Watch.comと「Seattle Post-Intelligencer」紙が20日に報じたものだ。
これらの記事によると、Live Search Cashbackは、Microsoftが2007年に買収したJellyfishをベースにしているという。Jellyfishは、これまでも同様のプログラムを提供している。20日夜の時点で、Jellyfishのウェブサイトには、「必要なサービスのアップグレードおよび強化を行うため、現在オフライン状態です」と表示されている。
一方、検索エンジン市場でのシェアを増大させようと、Microsoftがこれ以外で進めている、より費用のかかる取り組みについては、まだ情報はない。
キャッシュバックを得るには、ユーザーはアカウントを作ってログインしなければならず、その結果、Microsoftにとってより価値の高い広告顧客になってくれる可能性があるという点は、注目に値する。
検索市場において、このキャッシュバックプログラムは、Microsoftの評判を上げるのだろうか?それとも、下げてしまうのだろうか?
編集部注:なお、このキャッシュバックプログラム「Live Search Cashback」は米国のみで開始し、日本を含む海外では今のところ展開するかどうかは未定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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