Microsoftの法律顧問であるBrad Smith氏は、米連邦議会で9月に行われた聴聞会において、GoogleとDoubleClickの合併計画は確実にオンライン広告の独占化につながると厳しく非難した。
Brad Smith氏は用意した所見で、米上院の反トラスト委員会に「合併すれば、オンライン広告業界とその広告を表示する媒体である膨大な量のウェブサイトとを結ぶ圧倒的な支配力を持つゲートウェイが誕生することになるだろう」と述べている。
対するGoogleは現在、オンライン広告市場に十分な競争があることを確証するものとして、MicrosoftとViacomが米国時間12月19日に発表した5億ドルの広告契約を挙げている。それゆえ合併計画は承認されるべきだというのである。
広報担当のAdam Kovacevich氏はCNET News.comに対し、「オンライン広告市場は高度に競争的であり広告手段の乗り換えに障害はない。当社は、これまでずっとそう主張してきた。これと異なる見解もあるが、今日の発表はそうした議論には誤りがあることを示しているのではないか」と述べた。
Googleと著作権問題で争っているメディア複合企業Viacomは今回の契約により今後5年間Microsoftの広告提供プラットフォームに頼ることになる。Microsoftによると、5月に広告技術企業aQuantiveを60億ドルで買収した一環として取得した広告部門Atlasは5月以来0以上の新規顧客を獲得しているという(Atlasは企業の広告活動を支援している)。
一方、Microsoftの広報担当であるJack Evans氏によると、Viacomとの契約はGoogleとDoubleClickの合併問題について同社が声高に主張してきた論拠を損なうことにはならないという。31億ドルでDoubleClickを買収するというGoogleの計画は、現在、連邦取引委員会(FTC)の審査で最終段階にあると見られている。
「事実は、当社の取引はウェブ全体から見ればごく小さな部分に関するものであり、競争にも有利だ。一方、GoogleとDoubleClickの合併は大きな障壁となり、競争を阻害し消費者に損害を与えることになる。そして、現状でも支配的な両社の立場をさらに強化することになるだろう」(Evans氏)
さらに、Microsoftの戦略と提携を担当するシニアバイスプレジデントのYusuf Mehdi氏は電話インタビューで、Google傘下ではない現状でもViacomにDoubleClickから乗り換えさせるのは容易ではなかったと語っている。
ViacomによるDoubleClickからMicrosoftの広告プラットフォーム乗り換えは「極めて高くついた」と述べる。(Mehdi氏)
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