「gooリサーチ」を提供するNTTレゾナントは11月6日、全国のgooリサーチ登録モニターを対象に、日本オープンコースウェアコンソーシアム(JOCW)に加盟する慶應義塾大学と共同で企画・設計・分析を行った「教育機関の情報収集に関する調査」の結果を公表した。
オープンコースウェアとは、高等教育機関において正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開のこと。慶應義塾大学は、2005年5月より独自の「慶應義塾オープンコースウェアサイト」で講義内容をウェブ上で公開しており、2006年に日本におけるオープンコースウェア活動を援助し普及することを目的として設立されたJOCWの初代事務局を務めている。
今回の調査では、趣味・教養・実用から大学や大学院への進学まで、何らかの教育機関での学習を希望するモニターに対し、各種教育機関へのニーズについてアンケートを行った。
調査によれば、教育機関を選ぶ際の情報収集手段は「公式ウェブサイト閲覧」と回答した人が70.5%と最も多く、「教育機関発行のパンフレット」の52.6%を上回った。また、「教育関連のウェブサイト閲覧」も32.5%の人が挙げており、インターネットを通じた情報収集が中心となっていることが分かる。
学びたい教育機関に期待することとして、複数回答可で尋ねたところ、回答者の約半数に当たる53.8%の人が「費用負担の少なさ」を挙げた。学費以外では、「授業の分かりやすさ」が42.3%で最も多く、次いで「授業の専門性の高さ」が25.5%、「授業数の充実」が21.5%と続き、授業の内容に関する要望が目立った。
教育機関での授業を受ける前に、実際に使用する教材を閲覧してみたいと思うか、との問いに対し、91.3%の人が「閲覧したい」と回答した。その理由として最も多かったのは「自分のレベルに合っているかわかるから」で、59.0%だった。このほか、「授業の全体像がわかるから」が51.0%、「教育機関の質がわかるから」が46.7%と、半数近くに上っている。
教育機関を選定する際に重視する基準は、「授業の質」が52.7%で最も多く、次いで「学費の安さ」が51.8%だった。このほか、40.1%の人が「具体的な授業内容」を挙げ、38.0%の人が「カリキュラムの内容」と回答した。
大学の授業内容を公開しているJOCWのウェブサイトで実際に授業の映像を視聴してもらった上で、授業ビデオの動画配信について尋ねたところ、「良い」と評価した人は、「非常によいと思う」(29.5%)と「よいと思う」(49.2%)を合わせ8割近くに上った。また「教育機関選定の際に重要な要因となる」と答えた人は「非常にそう思う」(24.2%)と「どちらかといえばそう思う」(49.5%)を合わせて73.7%、興味のある教育機関が授業ビデオを配信していた場合「視聴したい」と答えた人は「非常に見たい」(41.9%)と「どちらかといえば見たい」(42.6%)を合せて84.5%だった。
インターネット上で講義ビデオの他に欲しい情報は、「授業レジュメ」(58.3%)や「参考資料」(48.8%)など、授業に関する情報を挙げる回答者が多数を占めた。このほか「受講生の評判」(35.4%)、「講師のプロフィール」(32.7%)、「過去の試験問題・解答」(32.3%)などの意見も多く、実際に受講する前に少しでも多く具体的な情報を集めておきたいというニーズの高さが見受けられた。
調査は、10月12日から17日にかけて、非公開型インターネットアンケートにより実施された。有効回答者数は1000名。
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