Googleが、「google someone(だれかについてググる)」といった一般動詞としての同社名の使用を厳重に取り締まる意向を明らかにした。
Googleによると、このような言いまわしは、同社のブランドを傷つける恐れがあるという。
同社の関係者は、「『Google』という言葉を使ってGoogleを使ったインターネット検索を表すことと、『google』という言葉を使ってインターネットの一般的な検索処理を表すこととは明確に区別することが重要だと思う。商標に関する深刻な問題が絡んでいる」と述べている。
言語学の権威であるレスター大学のJulie Coleman氏は、Googleの懸念に理解を示している。
「商標が一般的に利用されると、その名声は失われてしまう。したがって、Googleの主張は理解できる。彼らは検索以外のこともいろいろやっているため、自分たちのブランド名がこの分野に限定されてしまうことが嫌なのかもしれない」とColeman氏は語っている。
しかしColeman氏は、新しい言葉が一般的に使われ始めると、その使用を阻止することは不可能になる、とも加えた。
「Googleにとって、このような動詞としての使われ方を防ぐのは不可能だ。普通の人々が、普通の会話や文章でこの言葉を使っているが、彼らが訴えられる可能性は低い」とColeman氏は語っている。
Coleman氏によると、Googleができるとすれば、「登録商標のブランド名が語源であることを各辞書に必ず明記させることだ。Oxford English Dictionaryは既にそうしている」という。
商標の誤用阻止を目指す試みが無駄に終わるとしても、Googleは阻止を試みること自体すべきでない、という意見も多い。
ブログコミュニティーには、これはGoogleがかつての格好良さと遊び心を失いつつあるしるしだ、とする意見がある。
あるブロガーは、この言葉の使用に込められた思いがGoogleには伝わらなかった、とも示唆した。この言葉の使用は、同社が検索業界を独占していることに対する明らかな賛辞だという。
大学でコンピュータ工学を学んだブロガーのFrank Gruber氏は、「これは究極の賛辞のはずであり、Googleが異なる受け取り方をしたことは信じられない」と述べている。
別のブロガーSteve Rubel氏は、同社の対応を「史上最悪のPR活動の1つだ」と切り捨てた。
シリコンバレー中心部在住のPR会社幹部Morgan McLintic氏によると、Googleは自社が英単語になったことに対する喜び方を学ぶべきだという。
McLintic氏は、「『google』は既に、インターネット検索を指す言葉として一般言語化している。また、『ググる』ことができる場所は1カ所しかない。ということは、会社としてのGoogleにとって、これは非常によいことなのだ。メディアがこの動詞を使うのは、日常での使用状況を反映しているだけに過ぎない」と述べた。
Googleの措置は、ブランドがコピーの操作と同意語になったXeroxをはじめとする他社の懸念が要因となっている。一方、Apple Computerも「iPod」のブランド保護に乗りだしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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