インターネット広告市場は毎年高成長を遂げてきたが、最近になり、これまでの急拡大が終わり、一旦緩やかな成長段階への転換期に差し掛かっている。
シード・プランニングでは、インターネット広告市場が検索連動型広告を迎え入れて、その後急成長をする2002年より、インターネット広告市場の調査を継続して行っているが、今年5月から8月にかけて各事業者へのフィールド調査、広告主アンケート調査を行った限りでは、2007年は5年前と同様に大きな転換点になるのではないかとも思えるような、過去数年とは異なる「肌感覚」を得た。
ヒアリング取材先のある事業者は直近の市場観として、「過去数年と比較してこの1年間は静かな1年であった」とコメントしている。市場の各事業者は、検索連動広告に続く次なる成長ドライブとなる新しいビジネスモデルを模索しながら、次の成長を目指して新しい戦略を打ち立てている。
新たな成長領域として、行動ターゲティング、動画、クチコミマーケティング、Second Life、ゲーム内広告など、いくつもの候補があがっているものの、インターネットユーザーのトラフィックは、動画共有サイトに代表されるような広告収入モデルが未確立の領域へと移行しつつある。
インターネット広告を取り巻く市場環境は明らかに変化してきているのだ。
この連載では弊社刊「2007年版 インターネット広告の市場動向調査」レポートからの一部抜粋と、その後の市場動向を加味した調査・分析結果を5回に分けて、2006年の広告市場の振り返りと、今年2007年の動向及び2012年までの市場予測を行う。
調査レポートは、2007年5月-8月までの期間におけるインターネット広告関連事業者約30社への訪問ヒアリング取材、及び有力広告主企業約300社へのアンケート調査と、オープンデータによるものである。なお、調査概要の詳細については、弊社サイトを参照いただければ幸いである。
第一回と第二回は、2006年の広告主の広告全体とインターネット広告への支出動向について、調査結果を報告する。シード・プランニングでは、毎年有力広告主企業にインターネット広告利用状況の詳細について、アンケート調査を実施している。2007年の調査では、70社の有力広告主が回答し、広告主企業の総広告費とインターネット広告費との関連ついての動向が明らかになった。回収した70サンプルのうち、2006年にインターネット広告を利用したのは48社、利用していないのは22社という結果であった。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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