最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

マーケティングチャンネル

データマイニングを取り巻くツールに自動化の流れ

草野ヘ史(株式会社ブレインパッド)

2008/07/25 15:00  

 連載2回目は、ネット時代の要請を受けて、データマイニングを取り巻くツール環境がどのように変化(進化)をしているかを、ご紹介させていただきます。

 現在、企業内のDWH(データウェアハウス≒巨大なDB)に蓄積された膨大なデータは、例えればダムに貯められた水です。ただ水門を開け閉めするだけでは、膨大な水量(データ量)が流出してしまい、現実的に意思決定の材料としては機能しません。まさに消防ホースから水を飲むようなもので、受け手の処理能力を軽く超えてしまうのです。そこで、処理が可能な適切な量・質に情報を絞り込んで取り出す「蛇口」が必要となり、その機能がデータマイニングに求められています。

 しかし、現実問題として、そのマイニング自体が非常に高度で職人的な作業であるため、属人的な制約をうけることになります。つまり、分析者の能力と人数に限界があるため、結果として処理できる件数とデータ量にもすぐに限界が来てしまいます。

 そこで、そのような問題をカバーするためにツールの進化が求められ、ようやく、これに応えるようなソフトウェアが出始めました。

データマイニング作業の流れ

 まず、これまでのマイニング作業を理解いただくために、一般的なデータマイニング・ツールでの作業のイメージをご紹介します。

 マイニングの作業プロセスは以下のように、大きく「データ加工」と「アルゴリズムの適応」と「結果の評価」という3プロセスで構成されます。

brainpad

 このプロセスを具体的に実際のマイニングツールで実施する際、下記の画面イメージのように、様々なノードをつないで、処理フローを構成することになります。

brainpad

 この処理フローを組む操作自体は、ドラッグ&ドロップで非常に簡単に行うことができますが、

  • どのデータを使うか
  • どのノードを選ぶか
  • どういう順番でノードをつなげるか
  • (各ノードに)どのようにパラメータを設定するか
  • 結果が十分でない場合、上記のどこを変更するか

 というあらゆる操作ごとに判断作業が必要になり、その前提として統計やアルゴリズムの知識が求められます。

 つまり、「操作は簡単」だけれども「分析は難しい」わけで、ツールの簡単さとは裏腹に、データマイニング業務は、知識と経験が豊富な分析官のみが行える専門性の高い労働集約的な作業で、時間が掛かり、当然にミスも発生します。分析内容にもよりますが、一般に安定した結果を得るために2〜3カ月程度を要します。

 また、上述のように人の判断に依存するプロセスを数多く経るため、同じデータを使った分析でも、分析者の経験やスキルなどの能力で、大きく結果に差が出てしまうことになり、企業が安心して業務に活用する上で障害になっています。何より、作業のプロセスの多くがデータ加工部分で占められていることから分かるように、(時間の経過等で)データの内容が変わると、最初から作業を行う必要があるという問題が残ります。

マイニングの自動化ニーズ

 このような問題の解決のため、第1回のコラムでもご紹介した

  • ネット時代の大規模データを処理できる能力
  • 専門職以外の人間でも作業できる簡易性
  • 日々変わる状況を自動でトレースするシステムへの組み込み容易性

 が求められており、これらに応える次世代のツールが登場しはじめています。その代表例が、KXEN社のKXEN Analytics Frameworkです。

株式会社ブレインパッド

インターネットの普及で、企業内に膨大に蓄積されるようなったデータをマーケティングにおいて効果的に活用するための、総合的なサービスを提供するデータベースマーケティングの支援企業。

20名を越えるデータマイニングの専門スタッフを擁し、大手金融機関・大手通販会社・大手外食産業・大手広告代理店等々をクライアントにデータマイニングの受託業務を実施。また、大規模サイトのWeb解析環境の構築支援や、独自のアルゴリズムによるリコメンデーションエンジン「Rtoaster」の開発・販売・ASP提供を行うなど、Web関連データの分析・活用にも精通。2004年3月設立。

マーケティングチャンネル コラム

■ユーザー中心によるネットマーケティングROI最大化

進化するユーザビリティテスト〜「ユーザー行動観察調査」の効果・効能
近年のウェブサイトリニューアルプロジェクトでは「ユーザビリティテスト」を実施することが当たり前になってきたようです。今回は、単なる「使いやすさ調査」を超えた「ユーザー行動観察調査」の効果・効能を紹介します。

■ユーザー中心によるネットマーケティングROI最大化

ユーザー中心アプローチの時代
企業におけるネットマーケティングの成否の分かれ目は、ユーザ行動特性の理解と「ユーザ中心」に基づく戦略・設計にある。ビービットの500を超えるユーザビリティコンサルティングの実績をもとに、ビジネス成果を最大化するネットマーケティングの本質に迫る。

■モバイルSEOのはじめ方

モバイルはバーティカル検索へ--ケータイサイトオーナーは何をすべきか
モバイルの検索エンジンがPCの検索エンジンとは違った形で発展している中で、モバイルウェブの担当者は何をすればよいか? 今見えている検索サービスの変化から考えてみたい。

データ

企画特集

ネットと家電をつなぐチャレンジ「Life-X」
第一題:ライフログ・シェアリングサービス「Life-X」の第一印象は?
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第2回】メーカー/占いのコンテンツを作ってみた!

■調査レポートダウンロード

金融不安の市場に、IR活動は何を頼るか!?
CMS未導入企業300社へのアンケート 担当者のホンネを徹底追求

■調査発表

【ゲームクリエイターの方へ】攻めの開発体制を敷くAQインタラクティブ社の中途採用・求人情報をレポート
Alibaba JAPAN、カー用品店に関する調査 カー用品専門店の認知、利用ともトップは「オートバックス」
調査結果「携帯OS『Android』認知度調査、6割が『知らない』 〜ユーザー期待のメーカーは?」

レビュー

今週の新製品総チェック:新PS3が登場!ニコンが発表した映像製品「UP」とは?
「東京ゲームショウ2008」が10月9日から開催され、新PS3やXboxの新作ゲームなど、ゲーム機の大型発表が相次
[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
ソニーのBlu-ray Discレコーダー新製品が登場した。2007年から引き継がれる「やりたいことから選ぶ」シリー
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
松下電器産業の「Let's note」、デルのデスクトップPCとPC新製品が数多く登場した。Let's noteは9時間駆動
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
キヤノンからもフルサイズCMOSセンサを搭載した「EOS 5D Mark II」が登場した。合わせてコンパクトデジカメ
今週の新製品総チェック:第4世代iPod nano登場、ソニー「α」、松下「LUMIX」に新機種も