iモードブラウザ2.0の発表に沸くモバイルアクセス解析と検索エンジンマーケティング

アウンコンサルティング2009年08月03日 16時45分

 「ケータイ白書2009」におけるコンテンツやウェブサイトの探し方のアンケート調査結果では、2007年と2008年でユーザーアクションに明確な変化が見て取れる。

 「公式メニューからたどる」ユーザーが減少する一方で、「携帯電話の検索サイトで検索する」ユーザーが増加傾向にあるのだ。検索エンジンにおける検索結果の精度が日進月歩で向上している昨今では、先に述べた傾向は今後も広がっていくだろう。

 こうした中、2009年5月19日のiモードブラウザ2.0を実装した新機種の発表に、検索エンジンマーケティングに携わるマーケターたちはその朗報に沸いたことだろう。

 なぜなら、当該ブラウザの新機能にはRefererヘッダを送信する仕様が実装されているからである。

 それまでは、日本における最大の契約者数を誇るドコモ端末のリファラ取得が不可能な状況にあり、EZwebやSoftBankから抽出可能な値を元に、ドコモの推測値を算出するという方法を採っていた。今回の新機能実装によりドコモの的確なデータ抽出が可能となる。これはマーケターにとって待ち望んでいたことだろう。

 上記の発表によって、よりシャープなマーケティングを可能にする礎が築かれたわけであるが、特にモバイルSEOとアクセス解析の取組みが脚光を浴びている。

 SEO施策で、クローラビリティ施策は最優先で取り組むべき項目であることは言うまでもないが、アクセス解析ツールを導入することで、検索ユーザーのアクセスのみならずクローラーのアクセスおよび挙動を把握することができるため、双方に同時に取組むことによる相乗効果への期待度は高い。

 検索エンジンごとに複数存在するクローラーのユーザーエージェントだが、それらのアクセス状況を把握するための機能実装は、アクセス解析ツールのデファクトスタンダードとなる日はそう遠くないだろう。

 ディー・ワークスの提供する「wellout」は、そうした先駆的な取り組みをしている代表例である。主要キャリア公式エンジンである「iメニュー検索サービス」「EZweb検索サービス」「Yahoo!ケータイ検索サービス」と、主要な一般サイト用の検索エンジンである「Googleモバイル」「Yahoo!モバイル」の計5エンジンのクローラー情報と解析ロジックの実装を進めていると発表している。

 モバイル端末からサイトを探す際、検索エンジンを利用するというユーザーが増加しているというデータは各所から発表されており、ユーザーにアクセスされるサイトは、それよりも先に検索エンジンクローラーにアクセスされなければならないという考え方へのパラダイムシフトが起こっている。

 こうした中、市場の状況に合わせて、少しずつ姿かたちを変えていく検索エンジンとアクセス解析ツールのさらなる機能充実に期待したい。

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